古銭の価格

古文銭(中国の唐より前のコイン)は、現在では大陸より多く流入していますが、それまではかなり稀少価値がありました。 江戸時代にもコインコレクションを趣味としていた人たちがいました。
秦や新のコインは、当時は和同開珎よりずっと稀少だったことがわかります。
また貨泉だけは、中世の渡来銭の中に混ざっていたのでしょう、他と比べると安価です。(しかし、それでも和同開珎より高価だった!)
年代出 典日本・和同開珎秦・半両新・貨布新・貨泉その頃の
大工さんの賃金
(1日あたり)
享保10年
(1725)
中谷顧山
銭価志 (※1)
銀1匁銀50匁銀80匁銀5匁銀3匁
寛政5年
(1793)
紀伊青霞堂
古銭価附 (※1)
銀0.5匁金5両(銀300匁)  銀3匁
寛政11年
(1799)
名古屋久木屋板
古銭価附 (※2)
銀1匁  銀1匁銀3匁
天保13年
(1842)
とうへんぼく店
新撰銭かが見 (※2)
銀0.2匁銀60匁銀30匁銀0.5匁銀3~5匁
安政6年
(1859)
中川積古斉泉寿
和漢稀世泉譜(評価は一~二十)
 評価三評価三評価四 
明治29年
(1896)
山田城陽生
古銭図鑑(評価は一~十)
評価九評価三 評価五54銭
明治42年
(1909)
亀田一恕
古銭価格図鑑
10~50銭30銭~1円20~50銭3~20銭1円10銭
大正5年
(1916)
石塚猪男
日本支那古銭一覧
40銭  7銭1円15銭
大正5年
(1916)
化蝶園主人
古銭価格便覧
50銭~1円1円以上50~70銭20~45銭1円15銭
大正9年
(1920)
虎僊楼
古銭売買仲値表 (※1)
3円5円1円30銭2円92銭
昭和5年
(1930)
岡田房治郎
古銭価格年鑑
2~5円80銭30銭20銭2円50銭
昭和10年
(1935)
加賀両替店
昭和新訂古銭価格年鑑
1~3円80銭20銭10~50銭1円89銭
昭和13年
(1938)
山鹿義教
東洋各地古銭標準相場
3.5円5円1円1円2円20銭
昭和34年
(1959)
万国貨幣研究会
新版東洋古銭価格図譜
500~1,500円800~1,500円400~800円100~200円800円
昭和40年
(1965)
小川浩
昭和古銭価格図譜
3,000円5,000円3,000円400円2,000円
昭和45年
(1970)
陸原保
改訂版東洋古銭価格図譜
5~10万円4.5万円1.5万円2,000円3,500円
昭和55年
(1980)
穴銭堂
古銭(穴銭)標準価格表
6.5万円10万円2万円3,500円12,030円
平成元年
(1989)
増尾富房(穴銭堂)
東洋古銭図録(古文銭之部)
 1万円2,000円300円16,060円
1993年湖南人民出版社
中国古銭目録
 20元~20元1元~ 
平成12年
(2000)
日本貨幣商協同組合
日本貨幣カタログ2001
13~30万円1~3万円1,500~3,000円500~1,000円18,940円
令和2年
(2020)
日本貨幣商協同組合
日本貨幣カタログ2021
18~35万円6,000~2万円1,500~3,000円500~2,500円20,780円
(※1)の資料は、大正6~14年に大阪の古銭雑誌社より発行された月刊誌「古銭」から参照しました。
   (平成2年に国書刊行会から復刊されています)
(※2)は、日本のコインが大好きなアメリカ人、ルークさんのホームページ  「Zenikagami」  「Kosennedantsuke」  を参照しました。

昭和39年(1964)、東京オリンピック記念貨幣発行でコインブームがおこり、1万円くらいだった和同開珎は、一挙に5万円以上になりました。
一方、1980年代初頭から中国より古文銭の大量流入があり、古文銭の価格は10分の1に値下がりしました。
2002.6.29 2002.10.2追加 2003.7.30追加 2021.7.11追加