ホータンの鉛銭

  タクラマカン砂漠のオアシス都市、ホータン(現在の和田)付近では鉛銭が出土するそうです。 どの時代のものか、誰がどのような目的で作成したものか全く不明です。 幾つか種類はあるようですが、幾分趣きの変わったものを4種類紹介します。

● 鹿 銭 (?)

 表の図、じっと目を凝らすと何となく鹿の姿が浮かんできます。  裏は長方形の右に「干」または「千」、左に「方」と読める字ががあります。  「方」を「闐」の略字として、「干闐(ホータン)」を意味するものという説と、「方千」という王様の名を表わしているとの説があります。
 紀元129~130年に、漢に反抗したホータンの王が発行したものとの説もありますが、正体不明です。

 25.0-25.8mm 11.1g

● 駱駝銭

 表は砂漠の貴重品の駱駝。
 裏には、上の鹿銭と同じ「干」または「千」と「方」の字が見えます。
 これはどうも銅銭らしいです。 ただし、全く同じデザインの鉛銭も存在します。
 また、通貨として使用されたものとは考えにくく、祭祀用のものと考えたいところです。

 31.0mm 19.3g

● 大中大日

 これは完全に鉛銭で、面の字は日本や東アジアにあった島銭の風貌です。
 ホータンの鉛銭ともいわれていますが、蒙古高原の墓地で多く発掘するらしく、お墓の埋葬品だといわれています。 時代もそれほど古くはないようです。

 25.2mm 7.2g

● シノ・カロシュティー銭の模倣貨

 有名な「シノ・カロシュティー銭」を模倣した現代の作銭のようです。

 25~27mm 13.0g



2003.8.24 2004.1.12update