シルクロードを伝って、西洋と東洋の人々がつながっていたことを明らかに示す、2種類のコインがあります。 ひとつは、アレクサンドロス大王の武将が建国したバクトリア王国のコインで、ギリシャ文字とカロシュティー文字が刻まれています。 もうひとつは、新疆のホータンで発行されたコインで、漢字とカロシュティー文字が刻まれています。 「カロシュティー文字」は、紀元前3世紀ころ北インドで発生し、アショーカ大王の国の公用文字でした。 その後西域に伝えられ、紀元後4世紀ころまで使用されていました。 この文字を使った人たちが、あるときはギリシャ文字を使う人たちと、あるときは漢字を使う人たちと、ともに暮らしていた確かな証しです。 ■カロシュティー文字 ・母音? 𐨀𐨏 𐨀𐨎 𐨀𐨍 𐨀𐨌 𐨀𐨆 𐨀𐨅 𐨀𐨃 𐨀𐨂 𐨀𐨁 𐨀 ・子音 𐨢 𐨡 𐨠 𐨟 𐨞 𐨝 𐨜 𐨛 𐨚 𐨙 𐨗 𐨖 𐨕 𐨓 𐨒 𐨑 𐨐 𐨳 𐨲 𐨱 𐨰 𐨯 𐨮 𐨭 𐨬 𐨫 𐨪 𐨩 𐨨 𐨧 𐨦 𐨥 𐨤 𐨣 ・数字 𐩇 𐩆 𐩅 𐩄 𐩃 𐩂 𐩁 𐩀 |
紀元前2世紀のアジア 「図説世界史」(東京書籍) |
アポロドトス1世の銅貨 160-150BCころのインド・グリークの王です。 表:象と、周りにギリシャ文字。 BAΣIΛEΩΣ AΠOMOΔOTOY ΣΩTHPOΣ (救世者アポロドース王の) 裏:こぶ牛と、周りにカロシュティー文字。 1.4g 16.1×14.3mm | ||
ヘルマイオス王のテトラドラクマ銀貨 40-1BCころのインド・グリークの王です。 表:王の肖像と、周りにギリシャ文字。 BAΣIΛEΩΣ ΣΩHPOΣ EPMAIOY (救世主ヘルマイオス王の) 裏:ゼウスの像と、周りにカロシュティー文字。 王名 𐨱𐨪𐨨𐨩𐨯(Hrmys)らしいのが読み取れる。 7.2g 25.5mm |
ホータンの二十四銖銅貨 表は、馬とその周りにカロシュティー文字、 裏は、漢字で「重廿四銖銅銭」と書かれています。 18.3g 23~24mm 厚さ5.6mm | ||
ホータンの六銖銅貨 表は、馬とその周りにカロシュティー文字 裏は、漢字で「六銖錢」と書かれています。 5.4g 22~23mm |