■われは高く朗なる聲して歌ひしに、人々聞きて善き聲なりといひき。或る時 |
■私は澄んだ高い声で歌い、歌声が美しいと人に言われた。あるときなど、家族連れのイギリス人が立ち止まってじっと耳を傾けていたが、歌い終わって私たちが立ち上がると、主人らしいりっぱな紳士が私に銀貨を1枚くれた。 「それは、お前の美しい声に感心なさって、くださったんだよ。」と、母はいった。 [鈴木徹郎訳] |
この物語が生まれた年に発行されたコインです 表はローマ法王グレゴリウス16世です |
■此貴人の使なりとて、「リフレア」着たる |
■はでなお仕着せを着た従僕が、母なし子となった子どもにと言って、紳士の使いで20スクーディの金貨が入った袋を届けてきた。 |
フォルム・ロマーヌム しばらくして廣きところに出でぬ。こゝは見覺あるフオヽルム、ロマアヌムなりき。常は牛市と呼ぶところなり。 高き石がきは、 |
半パオロに相当します |
■我懷には猶一「パオロ」ありき。こは半年前ボルゲエゼの君が、小遣錢にせよと (一「スクウド」は約我一圓五十錢に當る。十「パオリ」に換ふべし。一「パオロ」は十五錢許なり。十「バヨツチ」に換ふべし。「スクウド」、「パオロ」は銀貨、「バヨツチ」は銅貨なり。) 幾個の銅錢もて買ふべくば、この |
■私はポケットにパオロ銀貨を1枚持っていた。私にとっては大金で、半年も前に閣下が小遣いにとくれた何スクーディかのうちの最後の1枚だったのだ。 【原注】1スクードは、デンマークの2リークスダラーとほぼ同価値。1スクードは10パオリ、1パオロはさらに10バイオッチである。バイオッコだけは銅貨で、他は銀貨。 これがもしバイオッコ銅貨数枚というのだったらメタスタージオの詩集に散財してもかまわないと思ったが、パオロ銀貨をそっくり手放すわけにはいかなかった。 |
19.8mm 3.5g 13世紀に発行されて以来、約600年間、 ヨーロッパの標準的な貿易通貨でした |
■軍服着たる一老人、若しその奇術奇ならざるときは、われは我が「ヅカアチイ」二個(約三圓三十八錢)を取り返すことを得んかといひしに、ポツジヨは我に代りて、若し疑はしとおもひ給はゞ、 |
■「だが、その感情とかやらが私に訪れてこなかったら、どうなるんだね。それでもいま出した2ドゥカートは返してもらえないのかね。」と、年寄りの軍人がきいた。「じゃあ、あなたはお賭けくださらなくてもいいんですよ!」と、ポッジョが口を出した。 |
サン・ピエトロ大聖堂 鐘の音は我を |