コレクタの不思議

  ほんの微細な差でも、コレクタにとっては大変な違いになることがあります。ここでは、殆ど全く同じにしか見えないのに、評価が大きく違う2組のコインを紹介します。ともに、江戸時代の代表的通貨、寛永通宝です。

古寛永 高田笹手永手

【上】笹手永手大点尓濶縁 24.0mm 3.1g
【下】笹手永手退寛 24.0mm 3.5g

寛永14年(1637)越後高田で鋳造されたもので、「笹手永手」と分類されているものです。
上はその普通の品です。
下は寛と永の字が後ろに退いています。特に寛の後足が内郭よりはみ出していることから「退寛」と呼ばれています。極めて稀少品で、入札誌でもめったに見ません。

評価 上 4,000円、下 50,000円

新寛永 江戸亀戸 正字背文

【上】正字背文磨輪 24.8mm 3.7g
【下】正字背文細縁 24.8mm 2.9g

寛文8年(1668)、江戸本所亀戸村で鋳造されたもので、背に「文」の字があるおなじみのものです。
通常は、25.0mmくらいありますが、左側はやや磨輪された品です。
下は内径が少し大きく、その分文字もごく僅か大きくなっています。 右の拡大図で確認してください。

評価 上 200円、下 20,000円


2001.7.8 2003.11.15改訂