天下手祥符通宝のミントマーク

  改造鐚の一つに、有名な「天下手祥符通宝」というのがあります。いずれも小形で、愛着のある貨幣です。
  この祥符通宝には、実にいろいろな種類の記号がつけられています。西洋のコインによくあるミントマークでしょうか。

 面決文

符の下に郭から外に向かって線がついています。決文といいます。
面文は「大頭通(北宝)」です。
21.7mm 1.3g
 輪中刮去

通の下の輪の中に引っかき傷のようなものがあります。
面文は「正様」です。
22.2mm 1.6g
 面十字 背決文

符の下に十字のマークがついています。
また、背の右側に決文があります。
面文は「短足宝(工宝)」です。
22.8mm 2.1g
 背鋸郭

背郭の下部が鋸の目のようにぎざぎざです。
面文は、「蝕字符中刮去」です。
22.5mm 1.7g
 背星

背に3つの星があります。
面文は「省祥」です。
21.1mm 1.4g
 背一(?)

背上部に「-」があります。
しかしいわゆる「背一」ではないようです。
「背一」の「一」はもっと細く短いです。なによりも「背一」の面文は「斜宝」か「省祥」に限られるはずですが、この面文は「仰宝(王宝)」です。
22.4mm 1.9g

参考文献:
  坂井博文、「天下手祥符通宝の分類」、『収集』1987~88連載

2001.9.15