富岡八幡宮の骨董市

  東京深川の富岡八幡宮では、毎月第1と第2日曜日に骨董市が開かれます。古い陶器、織物、民具、時計、写真などなど、100くらいの店が並びます。
  先日この骨董市へ行きましたら、畳1枚くらいのところに、1万枚近いコインを敷き詰め、「1枚100円」で売っている店がありました。
  寛永銭、清朝銭、近代銭を中心した、世界各国のマイナーコインです。中には、現行の10円玉や、ゲームセンターのコインも混ざっていました。
  驚いたのは、コインの状態の良さです。さびた物は全くなく、数年前まで流通していたかの様な美品が多いのです。時折雲間から日の光がさすと、きらきら輝くのです。
  思わず小一時間座り込んで、撰銭をしてしまいました。ここで紹介するのは、そのときの戦利品の一部です。いわゆる雑銭ばかりですが、ほれぼれとする輝きです。

享保11年(1726) 京都七条 不旧手進永

元文期の鳥羽横大路銭かもしれません。
化学薬品で処理されたのでしょうか。 他に、宝永四ツ宝銭、元文秋田銭、享保石ノ巻銭などの同種のものがありました。
2.5g 23.7mm
明和6年(1769) 江戸深川千田新田 当四 俯永

明和銭は「青銭」というくらいで、青緑色をしているのが普通なのですが、この品はそうではありません。
また、銭径もたっぷりあります。
5.2g 28.2mm
安政6年(1859) 江戸小菅 (鉄銭)

鉄銭の美品はなかなか得られません。
3.4g 24.0mm
文久3年(1863) 文久永宝 草文

面背に強いやすり目が残っています。
このような未使用品に近いのを『恩賜手』と分類する人もいます。
3.6g 26.8mm

2001.10.8