ファンタジー・コイン

 幕末から明治初年にかけて、目を楽しませてくれるいろいろな貨幣が発行されました。 だだし、本物はいずれも希少品。 ここに紹介する画像は、すべて大正・昭和時代に模倣されたものです。

● 文久貨泉、明治通宝
 「文久貨泉」は、仙台藩の文久山で鋳造した大型の鉄銭です。 ただし、下の品は銅製。
 「明治通宝」は、明治政府の試鋳貨とされているものです。

文久貨泉 63.8mm 91.6g
明治通宝 36.0mm 22.8g


● 土佐の海南之券、土佐官券
 土佐藩が製作したといわれるものです。
 この「海南之券」は、鉄製です。 100グラムを超える重さです。

海南之券 77.6mm 104g
土佐官券 53.5×38.4mm 34.7g

● 加賀の加越能通用
 加賀藩の試鋳貨とされています。
 「加越能」は、加賀藩の領地、加賀・越中・能登の3カ国のことです。
 裏は松竹梅と虎・竜・馬の図で、寅・辰・午が十二支の3、5、7番目になることにちなんでいます。

加越能通用三百 58.3×39.2mm 32.0g
加越能通用五百 72.2×46.0mm 69.2g
加越能通用七百 82.4×49.9mm 98.8g

● 小田部市郎の空想作品
 小田部市郎という人は、大正時代に本郷の東京大学の近くに住んでいた鋳物師です。 この人は、大正4年ころから実にいろいろなアイデアで空想上のコインを作成し、夜店などで売っていました。
 ここに紹介したのは、その一部。 歴史上に実在したものと誤解した人もたくさんいたそうです。
 掲載の品は、すべて小田部作品の写しです。 ホンモノの小田部作品は、極めて希少です。
米沢通宝 金三銖
55.9×38.7mm 51.2g
南部馬市 金一両
66.5mm 51.8g
品川台場通宝 二百五十文
76.5×33.9mm 46.9g




2004.8.16