古寛永・(称)岡山小字~小字手濶縁




 小字

 24.3mm 3.5g



 小字濶縁

 24.1mm 3.4g



 小字手

 24.0mm 3.9g



 小字手濶縁

 24.6mm 3.6g

  古寛永の中で『(称)岡山小字銭』と分類されているものは、名のごとく字が小さく、端整な書体なのですが、何か人を引き付ける魅力に乏しく、また存在数も多いため、余り人気がありません。
  『古寛永泉志』では本体の他に「仰頭永」と「短尾永」の2種を挙げていますが、どっちつかずのものが多く、識別には苦労します。
  静岡いずみ会の編纂した『穴銭入門(古寛永の部)』では、本体と「小字手」に分類し、そしてそれぞれに本体と「濶縁」を挙げています。 この本で解説している「小字手」の特徴は次のとおりです。
   ①寛尾が長い
   ②永頭が短い
   ③宝の王画が縮む
  ②の特徴で、永頭は短いだけでなく、本体の永頭がやや仰いでいるのに対して、小字手の永頭は逆に俯し気味になっています。 また③の特徴は微細で、判別しがたいです。






  次に、「濶縁」銭は、縁が広いことだけを意味している訳ではなく、内径が小さくなっていることがポイントです。 実際、上の画像の「小字濶縁」の外径は「小字」より小さいですが、内径も小さくなっています。
  よりはっきり示したのが右の比較図です。 「小字手濶縁」の内径が「小字手」より小さいことがはっきり分かると思います。


参考文献
 ①増尾富房、「改訂版 古寛永泉志」、穴銭堂、1976
 ②静岡いづみ会、「穴銭入門(古寛永銭)」、『収集』連載、1988~91

2005.8.28