推理小説から


● 甲賀三郎 『贋紙幣事件』  「少年倶楽部」昭和5年8月号/「青空文庫」

「五十銭銀貨」
  僕は東京の(旧制)中学生です。 友人の森君と一緒に、郊外に住む同級生の飛山君のうちへ遊びに行くことにしました。
  飛山君のお父さんは、最近贋紙幣を使った事件を起こし、警察に取り調べられています。
  飛山君の家に近づいた頃、足にペンキのついた犬を見つけ、その後を追ったら、お寺の中に入ってゆきました。

  ■森君は暫く犬のふざけているのを見ていたが、又お堂の上に昇った。そうして何と思ったのか、蟇口(がまぐち)を取り出して中から五十銭銀貨をつまんだかと思うと、廊下の隙間から縁の下へポタンと落した。そうして、しまったと云いながら、(その癖森君はニヤニヤ笑っていた)急いで下に降りて縁の下に潜り込んだ。
  僕は何の事だか訳が分らないので、ボンヤリ立って縁の下の方を眺めていた。
  しばらくすると、そのお寺のお坊さんがやってきました。
  ■ 「なに、五十銭銀貨を落したって。そそっかしい子供だなあ。小父さんが五十銭出して上げるから、縁の下に潜るのはお止(よ)し」
  そう云って坊さんは懐中(ふところ)から財布をだして、五十銭銀貨を森君に渡そうとした。

  (テキストは「青空文庫」を利用しました)

● 葛山二郎 『古銭鑑賞家の死』  「新青年」昭和8年1月号/国書刊行会「探偵クラブ」

燕の「刀幣」
  昭和初期の話です。
  退役軍人の坂東氏は、有名な古銭収集家です。 ある夜愛好家の集まりに出かけました。

  ■閣下は古刀布(ことふ)-ご承知でしょうが、支那の古銭の一種でして、恰度(ちょうど)剃刀(かみそり)の様な形をした、通貨としてはかなり古い時代のものですが、閣下が永年天津に駐剳(ちゅうさつ)された間に蒐集されたものでして、日本では非常に珍しい品ばかりなので、御自慢の一つなんでした。 その二百五十種ばかりを入れた蒐集箱を持って出席されたんです。

  ところがその夜、馬で帰る途中に自宅近くの崖から転落して死亡しました。 崖下には彼の蒐集品の古銭が散乱していましたが、そのうちの最も貴重な1枚が見つかりません。 まさか自宅近くで道を間違えたとは・・・・・
  (中国古代の刀幣は、戦前の日本には殆どなく、かなり貴重なものでした。)

● 鮎川哲也 『鬼貫警部事件簿~古銭』  「エロティック・ミステリー」昭和37年6月号/光文社文庫「鬼貫警部事件簿」

「全字開珎」 (画像合成で作成したもの)
  麹町の愛古堂の主人、岩崎兼弘が殺され、1枚の古銭が行方不明になりました。

  ■主人は昨日の夕方、「全字開珎」をもって、その男に会うために出てゆきました。主人を殺して、奪ったにちがいありません。
   日本でいちばん古く作られた和銅開珎です。和銅の「銅」の字はいうまでもなく金偏ですが、それを誤って「全」の字に刻んだのが一枚だけありまして、これは古文書にもはっきりした記録になっております。実際に鋳造したのは二十二枚で、誤りに気づくとすぐに鋳つぶしたわけですが、そのなかの一枚だけがどうした事情か流通して、行方知れずになったと誌してあるのです。主人が持ってでたのはそれです。

  数ヶ月たって、この古銭は愛知県田原町の古銭収集家が所蔵していることが分かりました。 事件当日のこの収集家のアリバイは完璧なようでした。 しかし、鬼貫警部はこのアリバイを崩します。
  (歴史的に存在するのは、「和開珎」ではなく「和開珎」です。したがって金偏はもともとありません。)


● 石沢英太郎 『貨泉』 「推理」昭和47年7月号/河出文庫「古代史ミステリー傑作選」
新の「貨泉」

  私は福岡の古銭収集家です。 ある日、阿比留と名乗る対馬の行商人の訪問を受けました。 彼は、一枚の古銭を取り出し、私に鑑定を依頼しました。 表に「貨泉」の2字が刻まれてる古銭でした。
  そのとき、私はとっさに判断できませんでしたが、後で友人に尋ねると、とんでもなく貴重なものだと分かりました。

  ■「だから貨泉ともなれば、もう考古・博物館級の資料だよ。われわれのいう、つまり古銭マーケットに乗る代物じゃないよね。国宝級さ」

  私は、この古銭を是非とも欲しくなり、対馬の阿比留氏を訪ねようとしたのですが、何と彼は殺されていました。
  (「貨泉」は、戦前にも日本にかなり流入していて、それほど貴重なものではありませんでした。現在では、数百円程度で入手できます。)


● 泡坂妻夫 『夢裡庵先生捕物帳~猿曳駒』 「問題小説」平成4年12月号/徳間文庫「からくり富」
「寛永通宝・二水永」

  江戸の長屋に住む古道具屋の与七は、ある寒い朝、納豆売りから、納豆と無尽漬と梅干を18文で買い、波銭(4文銭)を5枚出して1文銭2枚の釣銭を受け取りました。 ところがこの1文銭をふと見ると、1枚は隷書の寛永通宝、もう1枚は裏に「川」の字のある珍しいものでした。 向かいの占い師にこの話をすると、彼はまた別の1文銭を受け取っていました。

  ■「今、見たところ、この一枚の銭はその古寛永で、<永>の字に特徴がある。この永は二水という形に見えるところから<二水永>と呼ばれている水戸で作った最初の銭文だ。好きな物なら百両積んでも買う。」

  二人は納豆売りの一文銭を探っているうち、殺人事件に巻き込まれます。
  (”隷書の寛永通宝というのは存在しません”、と書いていたら、友人から「寛永通宝・太平手」が隷書だと教えてくれました。「太平手」は、現在100万円以上する代物です。 裏に川の字のある寛永通宝も少なく、現在20万円以上します。 「二水永」の寛永通宝はいくつか種類があり、安価なものでも1万円以上しますが、”100両”もはしません。)


● 和久峻三 『赤かぶ検事奮戦記~銭形砂絵殺人事件』 「小説non」平成6年5月~12月号/徳間文庫「赤かぶ検事奮戦記」
スペインの「ピラーダラー」
(1770年にメキシコで製造されたもの)

  四国観音寺市にある巨大な寛永通宝の砂絵を見物していた赤かぶ検事は、偶然そのとき、砂絵の中で人が争うのを見つけました。 直ちに現場に駆けつけたのですが、人の姿はなく、代わりに人の血と、犬の足跡と、そして一枚のコインが残されていました。 そのコインは「ピラーダラー」と呼ばれるものでした。

  ■「ここで、ピラーダラーについて、専門家から聞いた事柄を報告しておきます。すでにお聞きになっているかもしれませんが、ピラーダラーは、スペインのフェリペ五世が、1732年にメキシコで製造させた銀貨なんです。直径が65ミリもある世界最大級の銀貨として、コインのコレクターにとっては垂涎の的ですわ」
   「ピラーというのは、ご承知のように記念柱とか標柱の意味ですわね。ところでフェリペ五世が鋳造させた問題の銀貨のデザインは、こういうものでした。新大陸が発見されたというので、それと旧大陸とを示す二つの地球を円形の銀貨の中心部に描かせ、その両側に、二本の柱をデザインさせたんです」

  このコインには、何と1000万円の評価がつけられていました。
  (1732~1771年にスペインがアメリカ大陸で発行した8レアル銀貨は、裏面にヘラクレスの柱がデザインされていますので、通称「柱のドル Pillar Dollar」と呼ばれています。ただし、大きさは40ミリです)


「五十円玉」20枚
● 若竹七海ほか 『競作・五十円玉二十枚の謎』  「創元推理」平成5年1月/創元推理文庫

  ■千円札と交換してください---レジカウンターにずらりと並べられた五十円玉二十枚。男は池袋のとある書店を土曜日ごとに訪れて、札を手にするや風を食らったように去っていく。風采の上がらない中年男の奇行は、レジ嬢の頭の中を疑問符で埋め尽くした。

  毎週土曜日に50円玉20枚を1000円札に両替する男。 この男は誰? 目的は?
  同じテーマを元に、推理作家たちの競作が並びます。
● 綾辻行人 『黄昏の囁き』  「祥伝社ノン・ノベル」平成5年/講談社文庫

「五十銭銀貨」
  祥二は、突然の兄の死を知らされました。 兄の部屋には見たこともない50銭銀貨が落ちていました。
  その後、兄の友人たちが次々に殺されました。 そしていつも現場には50銭銀貨が落ちているのです。
  祥二は、15年前の記憶が少しずつよみがえります。 ・・・ 兄たち4人が公園で遊んでいます。 そこへ「彼」が来ます。

  ■「これ、あげるから」
   そう云って彼が差し出した手には、一枚の銀貨が握られていた。
   「だから遊んで」
   彼らは訝しげに顔を見合わせた。きっとそれが、自分たちが普段目にしたことのない硬貨だったからなのだろう。

  今日もあの日と同じように、町にサーカスの一座が来ています。


● 出久根達郎 『落し宿』  「小説中公」平成5年10月号~6年3月号/中央公論社「落し宿」
「裏白200円札」
(画像は、日本銀行金融研究所の「貨幣博物館」を利用しました)

  昭和8年、高知で映画「龍馬脱藩」の撮影をしていた一団の中から、一組の男女俳優が逃亡しました。
  二人は、愛媛県の方へ山越えしようとしたのですが、途中の山道で迷い、やっと一軒の家を見つけました。 何とか泊めてもらったのですが、そこは、毒薬、爆薬などを作っている不気味な家でした。
  しかもここでは、200円札の贋造札も作っているようでした。 昭和2年の金融恐慌のとき政府が緊急に発行した200円札で、裏に印刷のないことから、「裏白200円札」と呼ばれているものです。

  ■「銀行の取り付け騒ぎ終了後、緊急発行された裏白二百円札の回収に、日本中の預金解約者が応じた。ここに目をつけたのは非凡だ。市中の二百円札が底をつく。少なくなれば値上がりするのが、物の道理だ。貨幣商が目の色変えてあさるのも無理はない」

  軍隊、警察、特高、軍部のスパイ機関などもからんだ、奇想天外な物語です。
  (裏白200円札は殆どが回収され、現存十数枚といわれています。 最近700万円で売買された記録があります。)


● 金成陽三郎・さとうふみや 『金田一少年の事件簿~仏蘭西銀貨殺人事件』 「週刊少年マガジン」平成8年第45号~第52号

  はじめと美雪は、友人からホテルで開かれるファッションショーに招待されました。
  はじめたちがホテルに着いて程なくして、ホテルに、仏蘭西銀貨が胸元につけられたウエディングドレスが届けられました。
  これは葬送銀貨といって、不吉なものです。 誰かの嫌がらせに違いありません。
フランスの「5フラン銀貨」

  その夜行われたファッションショーの前夜祭で、殺人事件が発生しました。
  その後も、二人目、三人目の殺人事件が・・・・・

  (フランスの5フラン銀貨は、1970年からは白銅貨となりました。)

● 新麻聡 『十円銅貨』  「文庫の雑誌」本格推理⑨ 平成8年

「10円銅貨」
  女子大生江川真里の元に不思議な手紙が届きました。中には「ツートン・カラー」の紙に包まれて、昭和26年の十円銅貨が1枚入っていました。 差出人の名はなく、「1」とだけ書かれていました。
  次の日は、昭和30年の十円銅貨で、差出人は「2」でした。
  その次の日は、昭和29年の十円銅貨で、差出人は(3でなはく)、「5」でした。
  不思議な手紙は、1ケ月以上続き、昭和26年の十円銅貨で、差出人「55」の手紙が最後でした。

  ■「わかったわ! キザジュウよ。」
   「昔の、確か昭和34年だか35年くらいまで発行されていた十円玉にはね、縁にギザギザがつけられていたんですよ。」
   「現在発行されているのは縁はツルツルですよね。」

  「ツートン・カラー」にもヒントが隠されていました。


● 平岩弓枝 『御宿かわせみ~メキシコ銀貨』 「オール読物」平成13年5月号 /文春文庫「御宿かわせみ29」
「メキシコ・ドルラル」

  江戸南町奉行所与力神林通之進の息子麻太郎少年は、江戸湾の幕府の軍艦を眺めるのが好きでした。今日も友人と軍艦を眺めながら叔父の神林東吾の帰りを待っていました。
  そのとき、泥棒が包みを引ったくって逃げようとするのを見つけました。 みんなで追いかけましたが、泥棒は包みを東吾に投げつけて逃げてしまいました。 包みにはたくさんの小判がはいっていました。

  ■麻太郎は握りしめていた手をそっと開いた。
   「今の泥棒が落としたのかどうかはわかりませんが、こんなものが・・・・・・」
   一分銀を丸くしたような形をしている。表には木に止まっている鳥の模様が打ち出され、裏は中心から四方八方に筋のようなものが広がった形が刻印されている。
   「こいつは・・・・メキシコ・ドルラルという奴だよ」

  泥棒が落としたのは小判70枚と一分銀が3枚、それに1枚のメキシコ・ドルラルでしたが、この金額に大きなヒントが隠されていました。
  (幕末に日本経済を混乱させたメキシコの「8レアル銀貨」です。日本では、1分銀3枚として通用しました。)


● 『警察科学捜査研究所 ~文書鑑定の女2 ~偽造紙幣連続殺人!』 テレビ朝日 土曜ワイド劇場 平成14年2月

  小山内夕香は、警視庁科学捜査研究所の文書鑑定科技官。
  ある日、ラーメン屋で受け取った釣りのお札の中に、二千円札がありました。 彼女はその手触りに違和感を覚えました。 詳しく調べると、印刷に使われたインクは限りなく本物に近いのに、紙の質は本物とは程遠い偽札でした。
  そのうち、紙の質が良くなった大量の偽札が発見されます。



● 内田康夫 『浅見光彦シリーズ ~ 黄金の石橋』 フジテレビ 金曜エンタテイメント 平成14年4月

  ルポライターの浅見光彦は、軽井沢の小説家内田康夫(本人が出演)から、鹿児島の友人のところに来た脅迫電話を調べてほしいと依頼される。 光彦は鹿児島で安達祐実に似た女子大生(これも本人が出演)と知り合い、いっしょに事件に巻き込まれる。
  脅迫電話の相手は「黄金の石橋」のありかを探しているようだ。 そこには、西郷軍が隠した財宝が埋められているらしい。

  ■「じゃあ、その話は真実だったのですね」
   「ああ、ほんまのことじゃった。これがその『財宝』じゃよ。穴の中には、まだこれくらいはある」
   北原老人は信玄袋をかざして見せた。歳はとっていても、腕力はかなりありそうだ。
   「中身を見たのですね?」
   「ああ、見た見た。見て、たまげっしもた」

  西郷軍の財宝は意外なものでした。


● 西村京太郎 『十津川警部~幻想の信州上田』 「小説現代」平成18年3月号 ~9月号/講談社「KODANSHA NOVELS 」

  ■「死体が発見された時の状況を、説明してくれないか」
   相手は、ハンカチで包んだものを、十津川に渡した。
   十津川が、開いてみると、いわゆる、穴あき銭である。明治以前、江戸時代に使われていた、一文銭が、全部で六枚入っていた。
   「死体は、トランクルームに仰向けに転がされていたんですが、その顔の上に、その古銭が、置いてあったんですよ。全部で六枚ありました」

  十津川警部たちは、この銭を”三途の渡し賃”だと思った。しかし、・・・・・


● 輿水泰弘ほか 『相棒~少年と金貨』 朝日新聞社「朝日文庫」平成20年3月

  亀山刑事が家に帰る途中、自動販売機の前で困っている親子を見かけました。
  男の子がジュースを買おうとして硬貨を落としてしまったらしいのです。
  亀山刑事がやっと見つけると、それは見たこともない金貨でした。すぐに携帯カメラに撮影して上司の杉下刑事に転送しました。

  ■通話ボタンを押すと、右京の声が聞こえてきた。
   -これは、明治時代に作られた旧二十円金貨です。
   「日本にも金貨があったんですね。初めて見ました。高いもんなんですか?」
   -ぼくもあまり詳しくは知りませんが、確かこの年に製造された金貨はとても高かったはずです。市場では1枚2000万円くらいで取り引きされているのではないか、と。
   「えっ、に、2000万円っ!?」

  (平成20年2月に財務省が開催した近代金貨オークションで、明治13年発行の旧2円金貨が3210万円で落札されました。)

● 青山剛昌 『名探偵コナン~大都会暗号マップ事件』 日本テレビ 平成8年1月

  東都タワーの近くで遊んでいたコナンたち少年探偵団は、不思議な紙切れを見つけました。
  下のほうに書いている”ORO”が、イタリア語の”金”という事がわかると、これが宝のありかを書いた暗号だろうと推理しました。
「メイプルリーフ金貨」
  しかし、一番上の絵が東都タワーらしいことはわかるのですが、それ以外はさっぱりわかりません。
  しかも、なにやら人相の良くない3人組がつけてきます。
  ・・・ 暗号がとけると、そこにはメイプルリーフ金貨が一杯つまった袋がありました。

  (メイプルリーフ金貨は、カナダが発行している地金型金貨です。)

● 山村美沙 『京都・竜の寺密室殺人』  テレビ朝日土曜ワイド劇場 平成23年2月

  京都府警の狩矢警部の娘和美は、編集プロダクションの記者兼カメラマン。 特集記事取材のため、バスツアーに同行する。
  ところが、ツアー全員で立ち寄った“扮装スタジオ”で、舞妓姿に着替えた乗客のひとりが、お茶を飲んだとたんに苦しみ、絶命する事件が発生! そのとき、彼女が身に着けていた着物から竜の絵が刻まれたコインが転がり落ちてきた・・・。
  数日後、和美が事件の関係者のひとりを訪ねると、何とその人も口から血を流して死んでいた。 彼が直前に口をつけた茶碗の中には、またしても竜の絵が刻まれたコインが沈んでいた・・・。
  和美がコイン商を訪ねると、最近、青年がこの店に明治13年銘の50銭銀貨を持って来たので、店主が230万円で買おうとしたのだが、青年はそのまま持ち帰ったとのこと・・・

  (「竜50銭銀貨」は、明治6年~38年に発行された銀貨。 コインとしての評価は発行年によって異なり、明治31年のは2500円、明治13年のは300万円(いずれも美品基準)。)

● 『科捜研の女 ~ 13年目の鑑定対決』  テレビ朝日木曜ミステリー 平成23年12月

  川岸で発見された死体は、科捜研所長のかつての同僚だった。 13年前警視庁科捜研でともに偽札の鑑定に当たっていた。
  ところが、この男の遺物を調べると、男はロッカーに偽の1万円札を隠していた。
  紙質もインクも素晴らしい出来栄えだが、本物ではない。 しかし左下隅のホログラムは本物。 どうやら、ホログラム部分だけは本物から切り取って貼り付けているらしい。

  (福沢諭吉の1万円札は昭和59年から発行されましたが、当初はホログラムはありませんでした。 ホログラムが登場したのは平成16年からです。)   

● 『塔馬教授の天才推理 ~ 隠岐島の黄金伝説殺人事件』 フジテレビ 金曜プレステージ 平成24年6月

  塔馬教授は、青森で後醍醐天皇ゆかりの祭りを見物していて殺人事件に遭遇しました。
  また、教授の友人が隠岐島で後醍醐天皇の伝説を取材しようとしていたら、謎の男たちが見たこともない古銭を持っていることに気づきました。
  「乾坤通宝」!。 それは後醍醐天皇が発行した幻の古銭でした。

  (「乾坤通宝」は、後醍醐天皇が発行したとの記録があるのですが、本当に発行されたのかどうかは不明です。)




2006.7.11、 2006.9.25 3作品追加、 2006.10.5 落し宿、 2008.3.11 十津川警部、 2008.3.31 相棒、2009.6.7 コナン
2011.2 『京都・竜の寺密室殺人』 2011.12 『科捜研の女』  2012.6 『塔馬教授』  2013.12 浅見光彦