明治初年の職官表

明治初年の官吏の給料です。
朝令暮改のころで、しばしば改訂がありました。
史料によっては、若干異なることがあります。

【 目 次 】
 1.慶応4年1月制定  (三職七科制)
 2.慶応4年2月制定  (三職八局制)
 3.慶応4年閏4月制定 (太政官制Ⅰ)
 4.明治2年7月制定  (太政官制Ⅱ)
 5.明治4年7月制定  (太政官制Ⅲ、廃藩置県後)
 6.明治10年1月改定
 7.明治18年12月制定 (内閣制度)
 8.明治41年1月改定
 9.明治43年3月改定
 付録など

1.慶応4年1月制定  (三職七科制)  (⇒ページトップ)

          総裁・議定・参与
 ┌───┬───┬───┼────┬───┬───┐
神祇科 内国科 外国科 海陸軍科 会計科 刑法科 制度寮


月給三職六科・寮
1000両総裁
700両議定
500両参与
300両総督
100~70両
30両筆生
・慶応3年12月の主な人事
   [総裁] 有栖川宮熾仁親王
   [議定] 三条実美、岩倉具視、松平慶永ら14人
   [参与] 西郷隆盛、大久保利通ら約30人

2.慶応4年2月制定  (三職八局制)  (⇒ページトップ)

            総裁局
 ┌───┬───┬───┼───┬───┬───┐
神祇局 内国局 外国局 軍防局 会計局 刑法局 制度局


月給総裁局他の七局
上等(三職)1000両総裁
700両議定
500両参与
中等頭官300両
助官200両輔弼、顧問輔、権輔
属官100両弁事、権弁事判事、権判事
下等30両史官書記
20両筆生筆生
10両使丁(官掌)使丁(局掌)
・中等の頭官、助官、属官は、実際には議定や参与が兼任することが多かった(下の人事参照)。
・慶応4年2月の主な人事
   [総裁] 有栖川宮熾仁親王
   [副総裁・議定] 三条実美、岩倉具視
   総裁局  [輔弼・議定] 中山忠能、正親町三条実愛
         [顧問・参与] 小松帯刀、後藤象二郎、木戸孝允
         [弁事・参与] 東園基敬ら8人
   内国事務局 [督・議定] 徳大寺実則
         [輔・議定] 松平慶永
         [権輔・参与] 岩倉具綱ら2名
         [判事・参与] 大久保利通ら7名
   他の局については省略

3.慶応4年閏4月制定  (太政官制Ⅰ)  (⇒ページトップ)

                 太政官
  ┌───────────────┼──────────────┐
 議定官             行政官            刑法官
 ┌┴┐    ┌───┬───┬─┴─┬───┬──┬─┬─┐
上局 下局  神祇官 会計官 軍務官 外国官 民部官 府 藩 県


等級月給議定官行政官神祇・会計・軍務
外国・民部・刑法官
海軍局
陸軍局
地方三官
上局下局一等県ニ等県三等県
1等官700両(350両)議定輔相知官事一等海陸軍将(藩主)

執政

参政

公儀人
2等官600両(300両)参与副知官事二等海陸軍将知府事
3等官500両(250両)議長弁事判官事三等海陸軍将判府事知県事
4等官300両(200両)議員・貢士権弁事権判官事権判府事知県事
5等官150両(100両)史官史官知司事判県事知県事
6等官50両録事判県事
7等官30両書記判司事判県事
8等官20両筆生権判司事
9等官10両外務官訳生
・月給の( )内は、関東平定までの暫定措置。
・「知官事」「知府事」などは、具体的な固有名詞がつくときは、「会計官知事」「京都府知事」のように、文字の順番が入れ替わる。他の職名についても同様。
・明治元年10月、藩には、藩主の下に執政、参政、公儀人の3職を置くように定められた。
・慶応4年閏4月の主な人事
   [議定] 三条実美、岩倉具視ら10名
   [参与] 大久保利通、木戸孝允ら9名
   [行政官輔相] 三条実美、岩倉具視
   [神祇官知事] 鷹司輔熙
   [会計官知事] 万里小路博房
   [軍務官知事] 仁和宮嘉彰親王
   [外国官知事] 伊達宗城
   [刑法官知事] 大原重徳

4.明治2年7月制定  (太政官制Ⅱ)    (⇒ページトップ)

 ┌───────────────────┐
神祇官                 太政官   皇太后宮職 皇后宮職 東宮坊
 │   ┌───┬───┬───┬───┼───┬───┬───┬───┐
宣教使 民部省 大蔵省 兵部省 刑部省 宮内省 外務省 工部省 文部省 開拓使 集議院 府 藩 県



等級位階年給俸禄
(現米)
神祇官職・坊太政官弾正台開拓使大学・大学校海陸軍
第1等正二位1200石  左右大臣        
第2等従二位1000石伯* 大納言       大将
第3等正三位700石傳*参議卿+   長官別当* 
第4等従三位600石大副*大夫*大弁大輔+   大弼次官*大監*中将
第5等正四位500石少副*中弁少輔+   少弼少監* 
第6等従四位420石大祐*亮*少弁大丞+   大忠判官*大丞*少将
第7等正五位340石権大祐*権大丞+  権大忠権判官*権大丞*・大博士(大佐)
第8等従五位270石少祐*大進*大史少丞+権頭  少忠少丞*・中博士(中佐)
第9等正六位200石権少祐*権大進*権大史権少丞+ 権少忠権少丞*・少博士(少佐)
第10等従六位130石大史*少進*少史 権助権正 大巡察 大助教
第11等正七位85石権少進*権少史大録大祐大主典大疏大主典中助教(大尉)
第12等従七位67石少史*大属 権大録権允権大祐権大主典少巡察権大主典少助教(中尉)
第13等正八位50石権大属主記少録大属少祐少主典少疏少主典(少尉)
第14等従八位33石史生*少属官掌権少録権大属権少祐権少主典巡察属権少主典(曹長)
第15等正九位26石官掌*権少属 史生少属大令史史生史生史生史生(権曹長)
第16等-1従九位20石史生・職掌・坊掌省掌権少属少令史局掌台掌使掌校掌 
第16等-2 15石使部・仕丁
第16等-3 12石付属
等外-1 10石(等外-1)
等外ー2 7石(等外-2)
・*印の俸禄は、この一つ下の位置だった。例えば、神祇伯の俸禄は700石。
・+印の俸禄は、宮内省のみこの一つ下の位置だった。例えば、宮内卿の俸禄は600石。
・実際には米市場の相場に換算して現金で支給されていた。当時、米1石はおよそ8両。
・明治2年7月8日の主な人事
   神祇官 [伯]中山忠能  [大副]白川資訓  [少副]福羽美静
   太政官 [右大臣]三条実美  [大納言]岩倉具視、徳大寺実則  [参議]前原一誠、副島種臣 (後に大久保利通、木戸孝允)
   民部省 [卿]松平慶永  [大輔]広沢真臣
   大蔵省 [卿](欠員)  [大輔]大隈重信  [少輔]伊藤博文
   兵部省 [卿]仁和寺宮嘉彰  [大輔]大村益次郎
   刑部省 [卿]正親町三条実愛  [大輔]佐佐木高行
   宮内省 [卿]万里小路博房
   外務省 [卿]沢宣嘉  [大輔]寺島宗徳
   開拓使 [長官]鍋島直正
   東京府 [大参府事]大木喬任
地  方
等級位階年給俸禄
(現米)
大藩中藩小藩
第4等従三位600石知府事*知藩事 
第5等正四位500石知藩事 
第6等従四位420石大参府事*知藩事知県事
第7等正五位340石権大参府事*大参藩事権知県事*
第8等従五位270石少参府事*権大参藩事大参藩事
第9等正六位200石権少参府事*少参藩事権大参藩事大参藩事大参県事*
第10等従六位130石権少参藩事少参藩事権大参藩事
第11等正七位85石 権少参藩事少参藩事少参県事*
第12等従七位67石大属
第13等正八位50石権大属
第14等従八位33石少属
第15等正九位26石権少属
第16等-1従九位20石史生

  ・*印の俸禄は、この一つ下の位置だった。例えば、知府事の俸禄は500石。
  ・藩は大きさによって大藩(40万石以上)・中藩(10万石以上)・小藩(1万石以上)の3段階に区分されていた。
   (明治3年、それぞれ15万石以上、5万石以上、1万石以上に改定)。
   俸給は、この表の通りではなく、それぞれの藩によって異なっていた。
   広島藩(大藩42.6万石)の例:大参藩事270石、権大参藩事200石、少参藩事130石、権少参藩事100石、大属50石、権大属30石、少属26石、権少属20石、史生15石
   岡田藩(小藩1万石)の例:知藩事105石、大参藩事75俵、権大参藩事63俵、少参藩事51俵、大属39俵、権大属30俵、少属24俵、権少属18俵、史生9俵


5.明治4年7月制定  (太政官制Ⅲ、廃藩置県後)  (⇒ページトップ)

                   太政官
                    ├───┬──┬──┬───┬───┐
                    │   正院 左院 右院  元老院 大審院
  ┌───┬────┬────┬───┼───┬───┬───┬───┬───┬──┬─┐
 神祇省 大蔵省  兵部省  司法省 宮内省 外務省 工部省 文部省 内務省 開拓使 府 県
(教部省)  (陸軍省・海軍省)


官の種類等級(位階)月給太政官正院元老院一等寮二等寮三等寮一等司二等司警視庁陸海軍その他
勅任官1等(一位)
(二位)
(三位)
800円
600円
500円
太政大臣
左右大臣・参議

議長・副議長
議官


    

大将


大審院一等判事
2等(四位)400円  大輔    中将特命全権公使
3等(正五位)350円大内史 少輔   知事 大警視少将司法省大検事
奏任官4等(従五位)250円権大内史・大外史大書記官大丞権頭  権知事権大警視大佐(総領事)
5等(正六位)200円権大外史・少内史権大書記官少丞権頭 参事権令中警視中佐(領事)
6等(従六位)150円権少内史・少外史少書記官 権助権頭 権参事参事権中警視少佐 
7等(正七位)100円権少外史権少書記官  権助権正 権参事少警視大尉官幣大社大宮司
判任官8等 70円大主記大書記生大録大属、大技師大令史典事⇒大属権少警視中尉 
9等 50円権大主記権大書記生権大録権大属、中技師権大令史権典事⇒権大属大警部少尉 
10等 40円中主記少書記生中録中属、少技師中令史大属⇒中属権大警部少尉補 
11等 30円権中主記権少書記生権中録権中属、大技手、大手権中令史権大属⇒権中属中警部(曹長) 
12等 25円少主記 少録少属、中技手、中手小令史少属権中警部(軍曹) 
13等 20円権少主記 権少録権少属、少技手、少手権小令史権少属少警部(伍長) 
14等 15円大舎人 筆生史生、大技生、技術心得 史生権少警部  
15等 12円  省掌寮掌、中技生、技術見習 府掌県掌警部補  
等外1等 10円使部一等巡査  
2等 8円直丁二等巡査  
3等 7円門番三等巡査  
4等 6円小舎人   
・位階はおおよその目安であり、等級とは連動していない。
・明治4年7月の主な人事
   [太政大臣] 三条実美
   [右大臣]  (欠員、後岩倉具視)
   [参議]   木戸孝允、西郷隆盛、板垣退助、大隈重信
   神祇省 [卿](欠員) [大輔](欠員)
   大蔵省 [卿]大久保利通  [大輔]井上馨
   兵部省 [卿](欠員)  [大輔]山県有朋
   司法省 [卿](欠員、後江藤新平)  [大輔]佐佐木高行
   宮内省 [卿](欠員) [大輔]万里小路博房
   外務省 [卿]岩倉具視  [大輔]寺島宗徳
   工部省 [卿](欠員)  [大輔]後藤象二郎
   文部省 [卿]大木喬任  [大輔]江藤新平
   開拓使 [長官]東久世通禧 [次官]黒田清隆
   東京府 [知事]由利公正


6.明治10年1月改定   (⇒ページトップ)

                 太政官
                  ├───┬───┐
                  │  元老院 大審院
  ┌───┬───┬───┬───┼───┬───┬───┬───┬───┬──┬─┐
 大蔵省 陸軍省 海軍省 司法省 宮内省 外務省 工部省 文部省 内務省 開拓使 府 県


官の種類等級月給太政官警視局陸海軍その他
勅任官1等800円
600円
500円
太政大臣
左右大臣
参議


    

大将


開拓長官
2等400円 大輔  中将 
3等300円(⇒350円) 少輔 大警視少将検事長(350円)
奏任官4等200円(⇒250円)大書記官、大技長知事(250円)令(250円)中警視大佐 
5等150円(⇒200円)権大書記官、権大技長権知事(200円)権令(200円)権中警視中佐 
6等100円(⇒150円)少書記官、少技長大書記官少警視少佐 
7等80円(⇒100円)権少書記官、権少技長少書記官権少警視大尉 
判任官8等60円(⇒75/60円)一等属、一等技手(100/85/70/60円)一等属、一等警部一等警視補中尉 
9等50円二等属、二等技手(90/75/60/50円)二等属、二等警部二等警視補少尉 
10等45円三等属、三等技手(80/65/50/45円)三等属、三等警部大警部少尉試補 
11等40円四等属、四等技手(70/50/45/40円)四等属、四等警部権大警部  
12等35円五等属、五等技手(60/45/40/35円)五等属、五等警部中警部  
13等30円六等属、六等技手(50/40/35/30円)六等属、六等警部権中警部  
14等25円七等属、七等技手(40/35/30/25円)七等属、七等警部少警部  
15等20円八等属、八等技手(30/25/20/20円)八等属、八等警部権少警部  
16等15円九等属、九等技手(20/17/16/15円)九等属、九等警部警部補  
17等12円十等属、十等技手(17/15/13/12円)十等属、十等警部警部試補  
等外1等10円等外一等一等巡査  
2等8円等外二等二等巡査 
3等7円等外三等三等巡査  
4等6円等外四等四等巡査  
・月給の(⇒ )は、明治13年1月に改定されたもの。
・明治10年1月の主な人事
   [太政大臣] 三条実美
   [右大臣]  岩倉具視
   [内閣顧問] 木戸孝允
   [参議]   大隈重信、大久保利通、伊藤博文ら7名
   教部省 [卿](欠員)  [大輔](欠員)
   大蔵省 [卿]大隈重信  [大輔]松方正義
   陸軍省 [卿]山県有朋  [大輔](欠員)
   海軍省 [卿](欠員)  [大輔]川村純義
   司法省 [卿]大木喬任  [大輔]山田顕義
   宮内省 [卿]徳大寺実則 [大輔]万里小路博房
   外務省 [卿]寺島宗徳  [大輔]鮫島尚信
   工部省 [卿]伊藤博文  [大輔]山尾庸三
   文部省 [卿](欠員)  [大輔]田中不二麻呂
   内務省 [卿](欠員)  [大輔](欠員)
   開拓使 [長官]黒田清隆
   警視局 [大警視]川路利良

年給制の官吏
官の種類等級年給元老院大審院・裁判所その他
勅任官1~3等6000円
4800円
4500円
4000円
3500円
3000円
議長
副議長
幹事
議官
議官
議官


勅任官判事
勅任官判事
勅任官判事





賞勲局長官・法制局長官・修史館総裁
奏任官4~7等2400円

600円
奏任官判事

外交官の年給
官の種類等級職位英国・魯国ロシア
仏国・米国
独国
伊国
墺国オーストリー
清国 上海倫動ロンドン
馬耳塞マルセーユ
紐育ニューヨーク
桑港サンフランシスコ
厦門アモイ
天津
コルサコフ
ウラジホストック
羅馬ローマ
勅任官2等特命全権公使17,000独16,000
伊墺15,000
15,000
3等弁理公使15,00014,00013,000
奏任官4等代理公使11,00010,0009,000
総領事6,500
5等一等書記官4,8004,0003,800
6等領事6,0005,5005,5004,000
二等書記官3,8003,0002,800
7等
判任官8等副領事3,0005,2005,2003,7003,500
一等書記生2,6002,3002,0002,0002,4002,0001,800
9等二等書記生2,0002,0001,6001,6002,0001,6001,500
書記一等任見習欧米在留1500円、 亜細亜在留1000円
書記二等見習欧米在留1200円、 亜細亜在留800円

郡町村吏  (明治11年7月制定)
(一部不確かなところを含みます)
官の種類等級郡町村吏明治12年愛媛県明治13年徳島県明治14年岐阜県明治14年広島県備考
判任官8等郡長月50~25円月60~30円月50~30円月45~30円明治16年、奏任官となる
判任官 10等
11等
12等
13等
14等
15等
16等
17等
郡書記 月20円
月18円
月15円
月12円
月10円
月8円
月7円
月6円
月25円/20円
月17円
月15円
月12円
月10円
月8円
月7円
月6円
月25円
月22円
月20円
月18円
月16円
月14円
月12円
月10円
月20円
月17円
月14円
月12円
月10円
月8円
月7円
月6円
  郡役所雇月8~4.5円月6~2円
等外1等戸長年80~60円年115~65円年85~10円年60~35円名誉職に近い
  筆生 年30~20円


7.明治18年12月制定 (内閣制度)    (⇒ページトップ)
内閣制度設立とともに改定された俸給表です。
俸給の体系は複雑となり、官位とは連動していません。下の表はそのごく一部です。
勅任官と奏任官は年俸、判任官と陸軍の奏任官は月俸陸軍の判任官は日給です。
陸軍の俸給は同じ階級でも差異があるため、歩兵科のみを示しました。(例えば、憲兵少尉29円、工兵少尉26円、騎兵少尉24円、歩兵少尉22円、近衛工兵少尉29円、近衛騎兵少尉27円、近衛歩兵少尉25円、など)

                 内 閣
  ┌───┬───┬───┬───┼───┬───┬───┬────┐
 外務省 内務省 大蔵省 陸軍省 海軍省 司法省 文部省 農商務省 逓信省


官の種類等級内閣・省・局府・県警視庁陸軍その他
親任官総理大臣(9600円)、大臣(6000円)  大将(6000円)内大臣(6000円)、元老院議長(5000円)
勅任官1等次官・局長(5000/4500円) 警視総監中将(4200円)侍従長(5500円)、特命全権公使(1550~800ポンド)
2等次官・局長(4000/3500円)知事(4500/4000円)警視総監少将(3600円)弁理公使(1450~750ポンド)
奏任官1等秘書官・参事官・書記官(3000/2800/2600円)知事(3500/3000円)副総監大佐(187円)総領事(800~200ポンド)
2等秘書官・参事官・書記官(2400/2200/2000円)書記官など警視中佐(137円) 
3等秘書官・参事官・書記官(1800/1600/1400円)書記官など警視少佐(87円) 
4等秘書官・参事官・書記官(1200/1100/1000円)書記官など警視大尉(52円) 
5等秘書官・参事官・書記官(900/800/700円)書記官など警視中尉(32円) 
6等秘書官・参事官・書記官(600/500/400円)書記官など警視少尉(22円) 
 試補    
判任官1等属(75/60円)、技手(80/70/60円)収税属(50円)警部(45円)  
2等属(50円)、技手(70/60/50円)収税属(45円)警部(40円)曹長(25.0/22.0銭) 
3等属(45円)、技手(55/50/45円)収税属(40円)警部(36円)一等軍曹(17.6/15.8銭) 
4等属(40円)、技手(50/45/40円)収税属(35円)警部(32円)二等軍曹(13.2/11.4銭) 
5等属(35円)、技手(45/40/35円)収税属(30円)警部(28円)  
6等属(30円)、技手(40/35/30円)収税属(25円)警部(24円)  
7等属(25円)、技手(35/30/25円)収税属(20円)警部(21円)  
8等属(20円)、技手(30/25/20円)収税属(15円)警部補(18円)  
9等属(15円)、技手(25/20/15円)収税属(12円)警部補(15円)  
10等属(12円)、技手(18/15/12円)収税属(10/8円)警部補(12円)  
等外   巡査(6~10円)  
・明治18年12月の主な人事
   [総理大臣・宮内大臣]伊藤博文   [内大臣]三条実美   [参謀本部長・陸軍大将]有栖川宮熾仁親王
   [外務大臣]井上 馨   [内務大臣]山県有朋   [大蔵大臣]松方正義   [陸軍大臣]大山 巌   [海軍大臣]西郷従道
   [司法大臣]山田顕義   [文部大臣]森 有礼   [農商務大臣]谷 干城   [逓信大臣]榎本武揚
   [元老院議長]大木喬任    [書記官長]田中光顕   [法制局長官]山尾庸三   [警視総監]三島通庸
・明治21年4月、大日本帝国憲法草案審議のために「枢密院」が創設された。
   [枢密院議長]伊藤博文 親任官 年俸6000円


8.明治41年1月改定   (⇒ページトップ)
勅任官と奏任官は年俸、判任官は月俸。
官の種類等級第1号表第2号表第3号表備考
1級俸2級俸1級俸2級俸3級俸1級俸2級俸3級俸
親任官60005000大臣クラス
勅任官1等4000350035003000250040003500次官クラス
2等30002800250022002000350030002800局長クラス
奏任官3等25002200200018001600280026002400
4等20001800160014001200240022002000
5等16001400120011001000200018001600
6等120010001000900800160014001200
7等90080080070060012001000900
8等700600600500400900800700
判任官1等75608070606050
2等50456050454540
3等40354540353530
4等30253530252520
5等20152520151512


9.明治43年3月改定   (⇒ページトップ)
親任官・勅任官・奏任官・士官は年俸、その他は月俸。 また、下士官・兵は営内居住者の月俸。
官吏俸給
親任官内閣総理大臣(12000)、各省大臣(8000)、
朝鮮総督(8000)、台湾総督(7500)、
枢密院議長(6000)、特命全権大使(6000)
勅任官1等帝国大学総長(5500/5000)、各省次官(5000)、
警視総監(5000)、府県知事(4500/4000/3700)、
各省局長(3700)
2等
奏任官3等3000
4等2700/2500
5等2200/2000
6等1700/1500/1300
7等1200/1100/1000
8等850/750
9等600/550/500
判任官 1級俸
2級俸
3級俸
4級俸
5級俸
6級俸
7級俸
8級俸
9級俸
10級俸
11級俸
95
75
65
55
50
45
40
35
30
25
20
陸軍軍人俸給
士官大将7500
中将5000
少将3900
大佐2940
中佐2196
少佐1548
大尉1260/1080/900
中尉684/552
少尉480
下士官曹長19.8/17.1/15.0
軍曹12.9/10.8/9.0/7.8
伍長5.7/4.65
上等兵1.95
一等兵
二等兵
1.56


付録など  (⇒ページトップ)

● 江戸幕府役人の給料
  慶応3年9月、江戸幕府は、複雑だった役人の給料を次のとおり改訂しました。すべて年俸です。
年俸中央役人地方役人
1万両老中
5000両老中格
4000両若年寄、若年寄格、若年寄並長崎・箱館奉行
3000両神奈川・兵庫・佐渡奉行
2500両側衆、留守居、大目付、勘定奉行、町奉行、
外国惣奉行並、海軍・陸軍奉行並
京都見廻役、京都・大坂町奉行
2000両外国・作事・軍艦・騎兵・歩兵奉行、
奥詰銃隊頭、勘定奉行並、火消役
禁裏附、京都見廻役並、駿河・甲府城代、
新潟奉行、長崎・箱館奉行並
1500両高家、軍艦・騎兵・歩兵奉行並、製鉄所奉行、
遊撃隊・軍艦・銃隊・砲兵・騎兵・撤兵頭
山田・浦賀・日光・奈良奉行、神奈川奉行並、
駿河・甲府町奉行、甲府小普請組支配
1000両目付、外国奉行並
800両一橋家・亀之助殿家老、小普請組支配、作事・製鉄所奉行並、
遊撃隊・軍艦・銃隊・砲兵・騎兵・撤兵頭並、歩兵頭
山陵奉行
700両林大学頭、西丸留守居
600両小姓、小十人・納戸・右筆組頭、勘定頭取、天璋院御用人
500両使番、二丸留守居、歩兵頭格、鉄砲玉薬奉行
400両奥医師、二丸留守居格、遊撃隊頭取、開成所頭取格
350両新番頭格
300両吹上奉行駿河勤番組頭、美濃・西国・飛騨郡代


● 現在の官僚など  (令和4年ころ)
歳費月額衆参両院議員
217.0万円議長
158.4万円副議長
129.4万円議員

俸給月額特別職1特別職2
201.0万円内閣総理大臣最高裁長官
146.6万円国務大臣会計検査院長
人事院総裁
最高裁判事
検事総長
140.6万円官房副長官
法制局長官
公正取引委員会などの委員長宮内庁長官東京高裁長官
119.9万円
117.5万円
大臣政務官
 
検査官・人事官
 

 
侍従長
 
 
大使・公使
103.5万円
委員会の委員
東宮大夫
91.3万円

俸給月額指定職
本府省外局自衛官その他
8号117.5万円事務次官長官統合幕僚長会計検査院事務総長
人事院事務総長
7号110.7万円省名審議官幕僚長警視総監
6号110.35万円司令官
5号96.5万円官房長・局長・政策統括官
地方総監
4号89.5万円
(技術)統括審議官
次長
3号81.8万円
局次長・部長・審議官・参事官

部長・審議官・管区機関長
大阪府警察本部長
2号76.1万円師団長
1号70.6万円旅団長

俸給月額行政職1
本府省管区機関府県単位機関地方出先機関
10級(1号) 52.17万円(21号) 55.95万円課長機関の長 
9級(1号) 45.84万円(41号) 52.75万円
部長
 
8級(1号) 40.81万円(45号) 46.86万円室長機関の長
7級(1号) 36.29万円(61号) 44.49万円課長
6級(1号) 31.77万円(85号) 41.02万円課長補佐課長機関の長
5級(1号) 29.07万円(93号) 39.30万円課長補佐課長
4級(1号) 26.66万円(93号) 38.10万円係長
係長
係長
3級(1号) 23.44万円(113号) 35.00万円
主任

主任

主任
係長
主任
2級(1号) 19.85万円(125号) 30.42万円
係員

係員

係員

係員
1級(1号) 15.10万円(93号) 24.76万円
 国家公務員総合職の初任給は、大卒2級1号、院卒2級11号



参考文献
  橋本博編、「改訂維新日誌 第8巻」、名著刊行会、1966
  児玉幸多ほか、「日本史総覧」、新人物往来社、1984
  「大蔵省通達」、明治2年8月22日
  『官員録』、明治8年9月、明治12年9月
  内閣記録局、『明治職官沿革表』
  小野武雄、「江戸物価事典」、展望社、1980
  松田良一、「近代日本職業事典」、柏書房、1993
  その他

2007.12.26  2008.3.26追加