キッシーのペニー
キッシーのペニー(Kissi Penny)
アフリカの西南端(現在のリベリア、シエラレオネ)では、近くの鉄山でとれた鉄をもとにつくった鉄のワイヤが貨幣として使われていました。
巾2~3mm、長さ30~40cmの鉄のワイヤをねじり、一方の端はつるはしの形、他方は蝶々の羽の形をした奇妙な形です。
このワイヤには魂があるものとされ、魂を失ったワイヤは、祈祷師が魂を入れるまで貨幣としては通用しませんでした。
生産していたキッシー族の名前をとって、ヨーロッパ人からは「キッシーのペニー」と呼ばれていました。
18世紀ころから使われていたらしく、20世紀初頭では、
牛1頭 100束(20本で1束)
花嫁 200束
奴隷 300束
だったそうです。
1930年代にイギリスやフランスが介入するまで、この地方一帯で広く使用されました。
西アフリカの各地では、このほか、砂金、金・銅の線、布、毛皮、岩塩、宝貝などが貨幣として使われていました。 おおよその交換比率は、
イギリスの1ポンド = 砂金1/4オンス(7g) = キッシーのペニー4束(80本) = 毛皮32枚 = 宝貝8000個
でした。
33cm 18g
2006.06.29