大阪製のロシア帝国銀貨
ロシア帝国 15コペーク銀貨
1916年 2.7g 19.6mm 銀品位500
大阪の造幣局で、ロシア帝国の銀貨を製造したことがあります。
1914年、第一次世界大戦が勃発しましたが、大戦が泥沼化するにつれて、ロシア帝国では貨幣の製造がままならず、1916年、戦争の圏外にいた日本に銀貨の製造を依頼してきました。
大阪造幣局で、1916年3月から12月にかけて、7千万枚の10コペーク銀貨と9.7千万枚の15コペーク銀貨を製造しました。
大阪造幣局では、職員総出の残業と休日出勤で、この注文をこなしたそうです。
15コペーク銀貨には、大阪製のものと、ペテルスブルグ製の2種類あります。
ペテルスブルグ製のものには、表面鷲の足下に”BC”のミントマークがあります。(⇒右図)
上のコインにはそのミントマークがありませんので、大阪製です。
ただし、この銀貨の多くは、政治経済の混乱の中で退蔵され、市中で流通することは少なかったようです。
1917年2月、ロシア革命が発生し、ロマノフ王朝のロシア帝国はなくなりました。
2007.6.11