"Money" の語源

 古代ローマの造幣所は、女神Juno(ウノ、ジュノー)の神殿の中にありました。
 ウノは Jupiter(ユピテル、ジュピター)の奥さんです。
 ウノは結婚式で新郎新婦を忠告する女神だったため、Juno Moneta とも呼ばれていました。 Monetaは「忠告する」という意味です。

 右のコインは3世紀に発行されたローマの銀貨です。女神の周囲に「MONETA」の文字が刻まれています。

 いつしか Monetaは「貨幣」の意味を持つようになりました。
 そしてこれがイギリスに伝わり、英語の ”Money” になりました。
 この他にも、Moneta を語源とすると思われる単語がヨーロッパ中に拡がっています。
  Moneta(イタリア語)、Monnaie(フランス語)、
  Monedas(スペイン語)、Moedas(ポルトガル語)、
  Monety(ポーランド語)、Monede(ルーマニア語)、
  Монет(ロシア語)、Монети(ブルガリア語)、
  Münze(ドイツ語)、Mynter(ノルウェー語)、
  Mynt(スウェーデン語)、 Mince(チェコ語)、
  Mønter(デンマーク語)

 ところで、彼女の本名の「Juno(ウノ)」は、「6月」の語源になっています。
  June(英)、Juin(仏)、Giugno(伊)、Juni(独)、Junio(西)、Junho(葡)


 2007.10.18