十字軍のコイン

トリポリ伯国のディルハム銀貨
1225年
1.4g 14~15mm
キプロス王国のデニエ劣位銀貨
1382~98年
0.6g 14~15mm

1096年から約200年にわたって行われた十字軍で、兵士たちの一部は故国に帰らず、レバント(東方)に自分たちの国を作りました。
そのような国でもコインを発行しています。

「トリポリ伯国」は、第一回十字軍のとき、1109年にフランスのトゥールーズ伯たちが建国した国です。この国はレバノンで産する織物を輸出する海洋国家として栄えました。
デザインの6角形は発行地アレッポの名をとって、「アレッポ型」と通称されています。貨幣の単位「ディルハム」はイスラームの貨幣単位です。

「キプロス王国」は、第三回十字軍に参加したイングランド王がキプロスを占領し、それをフランスの騎士に売却したのが始まりです。この国は、十字軍の中継基地として重要な役割を果たしていました。
デザインはキプロス王家の紋章になっている「キプロスのライオン」です。貨幣の単位「デニエ」は故国フランスの貨幣単位です。

1289年、イスラームの攻撃により、トリポリ伯国は滅亡しました。
キプロス王国はその後も繁栄していましたが、1489年にその使命を閉じました。

2008.2.23