スウェーデンのプレート・マネー

スウェーデン 1750年発行 2Daler銅貨
18cm×17cm 厚さ約5mm 重さ1287g
(隣は10円青銅貨)

【中央の刻印】
2
DALER
SILFMYNT
下部に2本の矢
【4隅の刻印】
上部に王冠
FRS
1750
FRSは王名(Fredrik)
1618~48年、ヨーロッパでは30年戦争がありました。 戦争はドイツを舞台に行われましたが、スウェーデンも深く関与しました。 そのためスウェーデンは国内の金・銀を使い果たし、貨幣を発行するのがままならなくなりました。
しかし国内には優良な銅山があったため、1664年から、高額の銅貨を発行することにしました。
そのため、スウェーデンには3種類のダラーが併存するシステムになりました。
  ・帝国ダラー(RiksDaler)・・・ドイツの帝国ターレル(ReichsThaler)と同品質の銀貨
  ・銀のダラー(SilverDaler)・・・スェーデン固有のダラー
  ・銅のダラー(KopparDaler)・・・銅貨のダラー
これらには、1帝国ダラー=1.5銀ダラー=3銅ダラー の交換レートがありましたが、実際には金融相場で変動していました。(後、帝国ダラー=3銀ダラー=9銅ダラーにデノミされました。)

銅のダラーは、大きくて重い長方形の銅板に5つの刻印(中央と4隅)をしたものです。 重さは額面に比例しています。
その形状から、「プレート・マネー(Copper Plate Money/Koppar Plåt Mynt)」と呼ばれています。
多く発行されたのは、1/2、1、2、4Dalerの4種類ですが、初期に発行された10Daler銅貨は、30cm×70cmの大きさで、重さは20Kgもあるものでした。
製造風景
「ビジュアル博物館・貨幣」(同朋舎)
ストックホルム銀行の預り証券
(出典同上)

右の図は、当時の製造風景です。 まだ産業革命前で、すべて人力で製作しています。

その後、少し軽量化されましたが、それでも十分に重いものです。
上の画像の銅貨は1750年に発行された2Daler銅貨です。 隣の10円銅貨と比べてみてください。 重さは1287gあります。

あまりの重さで不便だったのでしょう、1661年、ストックホルム銀行は預かり証券を発行し、この重い銅貨の代用としました。 これがヨーロッパにおける紙幣の嚆矢です。

この重い銅貨は1776年まで発行されました。
しかしその後も、オランダの東インド会社は、この銅貨をアジア貿易でよく使いました。
通常古いお金は地中から発見されることが多いのですが、このコインはバルト海、北海、アフリカ沖などの難破船から発見されることが多いそうです。
裏面

  2012.7.16