御蔵銭長永

古寛永・称御蔵銭・長永
3.2g 24.4mm

江戸時代に発行された寛永通宝は、細かく分類すると2000種類以上になります。
しかし、細かな分類は、なかなか難しいのがあります。
そのような代表例が「御蔵銭・長永」と呼ばれているものです。
しかも、ただでさえ数多くない「御蔵銭」ですが、その中でも「長永」は最大級の難穫品。

そして、その識別方法が、これまた至極難解。 いろいろな古銭書では、次のような解説をしています。
三か所のくぼみ
  ・永の柱が長く、湾曲する。
  ・永字のフ画が長く、柱より離れている。
  ・寛字冠の前垂が長く力強い。
  ・寛尾の跳ねが長い。
  ・永点の上部、宝貝画の爪の下部、内郭の宝の前足の延長上の3箇所にくぼみがある。
この中で、分かりやすいのが最後の3箇所のくぼみ。 その位置は右図のとおりですが、必ずしもそのとおりではないものもある、とのことで悩まされます。 上の画像の品も、宝貝画の爪の下部の一か所だけが識別できます。

プロの中でも、”これは長永だ”、と断言できる人は多くない。 雑銭のなかに混ざっていると、気づくひとはどれくらいいるだろうか?

2015.12.30