世界最小級のコイン
南インドのファナム金貨の仲間
15~19世紀
3.2mm 0.04g
江戸時代の露銀の仲間
17~19世紀
3.1mm 0.08g
世界最大のコインといえば、ヤップ島の石貨でしょうか。 何しろ、大きいものだと3~4メートルもあるそうですから、おそらくこれが最大でしょう。
ところで、最小のコインは何でしょうか。 小さいコインとしては、15~19世紀に南インドの藩王国で発行されたファナム金貨、日本の江戸時代の豆板銀の一種の露銀(つゆぎん)が思い浮かびます。
これらについては、
「南インドのファナムコイン」
と
「露銀」
をご覧ください。
上の画像の2点は、これらの仲間と思われるコインです。 長さは3ミリくらい、重さは0.1グラムありません。 あまりに小さすぎて、仲間というより、子供かたまごのように見えます。
右の画像は、5円玉の穴の中にこの2枚が収まっている画像です。
小ささが実感できるでしょう。
しかし、ただの金属片ではなく、貨幣らしく一応模様のようなものもついています。
現在の日本で最小のコインは、もちろん1円玉。 しかし、直径20ミリ、重さ1グラムです。 紙幣でも重さは1グラム程度あります。 上のコインの10倍以上です。
昨今の金高騰で金は6500円/g、上の金貨は260円にもなります。 2枚あれば牛丼が食べられます。
江戸時代、銀1匁(3.75g)はおよそ銭100文。 上の銀貨はおよそ銭2文に相当します。 8枚あればそばが1杯食べられました。
しかしこんな小さなコインが2枚や3枚で通常の買い物で使われていたとは考えにくいです。 大きなコインで主さが少し不足したときの補充用でしょうか。
2020.6.6