ゴットランド島

画像は「スウェーデン観光文化センター」より

画像はGoogleマップを利用

　「ゴットランド島」はバルト海にあるスウェーデンの島です。　東京都の１.５倍くらいの広さで、人口は千代田区とほぼ同じおよそ６万人です。
　前近代的な色彩豊かな町並みで、訪れる観光客の多い島で、「魔女の宅急便」のモデルにもなったことで有名です。

　この島は中世の初期、バイキングの島でした。　９～１１世紀がその最大の繁栄期で、そのころの遺跡も多く残されています。　遺跡には、彼らの残した財宝が発見されることもあります。　中でも、ヨーロッパ各地から集めた金・銀製品が数多く発見されました。　イスラームの銀貨も数万枚発見されています。

　金銀の集め方には３つの方法がありました。
　①ビザンチン帝国やイスラーム帝国との交易。　輸出品は琥珀、セイウチの牙、貂の毛皮、蜂蜜、それに捕獲したスラブ人奴隷などです。　交易ルートは、内陸部の川を遡り、ドニエプル川で黒海に至るルートでした。　（現在、ロシアとウクライナが戦っている付近です）
　②海や大河に沿った町を攻撃して略奪する。　バイキングの凶暴さは有名でした。
　③町を攻撃しないとの条件で貢納金を取る。　みかじめ料みたいな平和の代償金ですが、金額は膨大で、イングランドでは銀貨１７００万枚を支払ったこともあります。

イスラームの９世紀のディルハム銀貨 この種類のものが大量に発掘されています

　その後、ドニエプル川流域に定住を始め、９世紀後半の「キエフ大公国」の建国に大きく関与していたそうです。