袁世凱の中圓銀貨
袁世凱の中圓銀貨 13.2g 31.0mm
中華民国3年(1914)発行
1911年(辛亥)、孫文を指導者とする革命軍が武装蜂起しました。 清朝政府は、隠棲していた袁世凱を総理大臣に任命して、反乱軍を制圧しようとしました。
ところが袁世凱は革命軍と取引し、清朝の皇帝(宣統帝:ラストエンペラー)を退位させるかわりに、新政府のトップを自分にするようにはたらきかけました。 袁世凱は強力な軍隊を率いています。 孫文らは袁世凱の要求を受け入れざるをえませんでした。
1912年2月、宣統帝は退位し、清朝300年の歴史を閉じました。 代わって袁世凱が中華民国臨時大総統に就任しました。
1914年からは、自分の像を刻んだ貨幣を発行しました。 1圓、1/2圓、2角、1角の銀貨です。
上の画像のコインは、1/2圓銀貨です。 「半圓」としないで「中圓」としています。 珍しい表記方法です。
1916年1月、国名を「中華帝国」と改め、自らは初代皇帝「洪憲帝」を名乗りました。 しかしこれには、国の内外で猛反対され、3月には帝政を断念、6月失意のうちに病没しました。 56歳でした。
ところで、このコインには最近作のファンタジーコインがあります。 中円銀貨は中華民国3年にしか発行されていませんが、ファンタジーコインは元年から十年くらいまであります。 また、本物よりやや大きく(33ミリくらい)、やや軽い(12グラムくらい)白銅貨です。 本物同様に販売されていますから、ご注意を。
2023.12.16