変わった形のコイン

  
スペインの4レアル銀貨 16~17世紀 13.8g 最長部40mm 厚さ2.0~2.5mm
  
  フロレンスの十字架
スペイン国王の盾紋

 16世紀の中頃、スペイン人たちはメキシコと南米で巨大な金山・銀山を発見し、メキシコとリマとスペイン本国に造幣所を作り、大量の金銀貨を製造しました。
 あまりもの大量の金銀だったので、コインの製造工程は簡略化されました。 金銀を板状に延ばし、定められた重さに切断し、両面に十字架と国王の盾紋を刻印したものです。 
 銀貨の重さは、1レアル=3.4グラム、2レアル=6.8グラム、4レアル=13.6グラム、8レアル=27.2グラムの4種類がありました。 コインの形状は、八角形、長方形、菱形などが基本でしたが、決められた重さに調整するために端が切り取られることがありました。 切り取り方によっては、形が大きく崩れることがありました。
 画像のコインは、余った銀板から決められた重さを切り取るためこんな形になってしまったのでしょうか。 なにやら町の金属工場に落ちている破片のようにみえます。

 2024.6.27