たまごは物価の優等生


 私が小さかったころ、私の家では鶏を飼っていました。
 ちょっとしたお礼やお見舞いには、とれたてのたまごを箱に詰めて持って行きました。
 たまごは少し高級な食材でした。

 人の1日分の賃金でたまごが何個買えたかを調べてみました。

時代たまごの値段大工さん
1日の賃金
1日の賃金で買
えるたまごの数
13世紀中ごろ、イギリスたまご400個で18ペンス3ペンス67個
16世紀後半 イギリス(エリザベス1世の時代)1ペニーでたまご3個12ペンス36個
17世紀後半 江戸 (元禄時代)銀1匁でたまご20個銀3匁60個
18世紀中ごろ、イギリス (産業革命の前)1ペニーでたまご3~4個24ペンス82~96個
19世紀前半 フランス (フランス革命の直後)たまご1個1~3スー80スー26~80個
19世紀前半 江戸 (文化文政時代)たまご1個7~20文300~500文20~50個
明治12年 東京たまご百匁で10銭(1個1銭6厘)41銭26個
昭和30年 東京たまご百匁で86.5円(1個14円)730円53個
と、ここまでは、1日分の賃金で100個以下です。 ところが、現在では、
令和4年 東京たまご10個で239円21100円883個
となって、極めてたくさん買うことができます。

 明治以降の推移をグラフにしてみました。(⇒右図)

 昭和30年代(1955~)にニワトリの飼育方法に革命がありました。 「平飼い(広い小屋で数十羽を飼う)」から「ケージ飼い(小さな箱で1羽ごと飼う)」に改良されたのです。
 さらに、昭和62年(1987)に飼料価格が国際的に低落し、折からの円高がそれに拍車をかけて、一層安価で作れるようになりました。

 現在では毎日好きなだけたまごを買うことができます。 しかし、我が家には健康上の理由から、「1日1個まで」の定めがあります。

 2007.8.23  2023.11.6改訂