日本の民謡から


● 津軽じょんがら節 (青森)
  ハーアー 酒よ酒よと町の中通れば
  酒コ一杯 なぼだまおすみ
  酒コ一杯は 二十四文だ

● 南部馬方節 (岩手)
  一夜五両でも 馬方はいやだ
  駒の手綱で身をやつす
  一夜五両でも 馬方はいやだ
  七日七夜の 露を踏む

● 大の阪踊り (新潟)
  大の坂 七曲がり駒をよくめせ旦那様
  てんま町の橋にねて笠をとられた 川風に
  三歳鹿毛の駒 江戸で値がする 八両する

● 甲州綿引唄 (山梨)
  ほかしゃ 身上知れたもの
  弓一分 篭二朱
  槌が三百 槌が三百

● 岡崎五万石 (愛知)
  五万石でも 岡崎さまは
     お城下まで 船が着く
  お前ひとりか連衆(つれしゅ)あとから 駕籠でくる
  五文銭でも 岡崎女郎衆と誰(た)がいうた
     裏をかえせば 波がある

● 郡上節 (岐阜)
  ハ 七両三分の 春駒 春駒 ホイ
  郡上は馬処 ホイ
  あの磨墨(するすみ)の 名馬 ホイ
  出したも ササ 気良(けら)の里
  七両三分の 春駒 春駒

● 大津絵 (滋賀県)
  三日五日(さにちいつか)と 日を送り
  二十日あまりに 四十両(しじゅうりょう)
  使い果たして 二分残る
  金ゆえ大事な 忠兵衛さん

● 藍運び馬子唄 (徳島)
  馬を早よ行け 沓買うてはかそ
  二十と四文の 四つの沓

● 博多どんたく (福岡)
  ぼんち可愛いや寝んねしな
  品川女郎衆は十匁
  十匁の鉄砲玉
  玉屋が川へスッポンポン

● ぶらぶら節 (長崎)
  紺屋町の花屋は 上野の向う角
  弥生花三十二文で 安いもんだいちゅう
  ぶらりぶらりと いうたもんだいちゅ


参考資料:
  関口三郎、「お金と歌(歌謡・詩歌)」、お金・紙幣・金融の大辞典 大蔵財務調査会、1982
  千藤幸蔵/長田暁二、「日本民謡選集」、ドレミ楽譜出版社、2001

2007.11.16