『江戸の小判ゲーム』
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山室恭子著、『江戸の小判ゲーム』 講談社現代新書、2013年2月発行
江戸時代の幕府の経済政策には、いくつかの不思議がありました。
・ほぼ50年ごとに借金の棒引きを行った。 なぜ?
・多くの大名は藩札を発行したのに、幕府は紙幣を発行しなかった。 なぜ?
・金貨銀貨は改鋳したが、銭の改鋳はなかった。 なぜ?
・小判を質に入れて借金する人がいた。 なぜ?
・江戸後期になると、小判より、二分金や一分銀などの小額貨幣が多くなった。 なぜ?
・幕末には幕府も諸経費高騰したはずだが、幕府財政はほぼ黒字だった。 なぜ?
・幕末の一時期、米だけが異常に高騰したことがあった。 なぜ?
この本は、これらの”なぜ?”に対して、当時の膨大な記録を読み解き、謎を解明していきます。
そして、私たちの誤った常識を正してくれます。
公儀の御触れは、決して一方的なものではありませんでした。 公儀の御触れに対して、商人たちの嘆願と公儀の譲歩が繰り返され、公儀の当初の御触れはだんだん、より現実的なものに改定されていきました。
一方的な”○○○ミクス”を押し付けている今の”公儀”に聞かせてやりたいことが多々あります。
2013.4.27