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値段のグラフ
1.給与の格差
2.物価の地域差
3.大正期のインフレ
4.たまご、バナナ、まつたけ
5.種類別通貨流通高
6.消費支出内訳
7.物価指数
8.税収入の内訳
9.外国為替相場
数字の推移だけでは説明しにくいところをグラフを使って説明します。
内容の順番は、全く順不同です。
グラフ部分をクリックすると拡大表示されるものがあります。
最終改訂 : 2023年4月
【グラフ1】 給与の格差
令和2年のサラリーマンの年収は、平均で433万円。
しかしこれは、全国5240万人の総平均。
男女の格差だけみても、男532万円に対して、女293万円。
さらに、給与階層別の人数にしてみたのが、右のグラフ。
平均値の半分以下や、2倍以上の人たちのいかに多いことでしょう。
【出典】国税庁、「民間給与実態統計調査」
【グラフ2】 物価の地域差
物価や給与には地域差があります。
最低賃金も、東京都の1041円に対して、沖縄県などは820円(令和3年度)。
しかし、地域差が最も顕著なのは、土地、住宅、家賃でしょうか。
右のグラフは、全国主な都道府県庁所在地の民営家賃のグラフです。
東京区部8806円に対して 青森市は3111円。 3倍近く違います。
【出典】e-Stat >「小売物価統計調査」>「主要品目の都市別小売価格」
【グラフ3】 大正期のインフレ
終戦直後のインフレ以外にも、大正期のインフレも顕著でした。
一次大戦後の好景気で、諸物価が高くなりましたが、その代表がお米の値段です。
当時は1人1日あたり2.6合の米を消費していました(令和2年は0.93合)。
大正5年初めは1升16銭でしたが、秋ごろから上昇し始め、大正8年12月には65銭にまで上昇しました。
大正7年7月に、富山県で発生した米騒動は有名です。
【出典】東洋経済新報社、『明治大正国勢総覧』、「東京白米小売平均相場月別表」
【グラフ4】 たまご、バナナ、まつたけ
「たまごは物価の優等生」、「戦後のバナナは高級品だった」、「昔はまつたけは安かったらしい」という言葉をよく聞きます。
それらがどれくらいの値段だったのかを、大工さんの1日の賃金で何個買えるか、で調べてみました。
たまご
は、昭和30年ころまでは、ちょとした贈答品として使われていました。 ところが、その後ニワトリの飼育方法に大革命がありました。 「平飼い」から「ケージ飼い」に改良されたのです。 折りからの飼料価格の国際安で、たまごの値段は急激に安くなりました。
終戦直後、
バナナ
の輸入は規制されていました。 昭和23年に銀座に出現したときは、1本で120円くらい、これは大工さん1日の賃金より高価でした。 バナナの輸入が自由化されたのは昭和38年のことでした。
大正時代まで、
まつたけ
はしいたけより安価だったそうです。 現在国産のまつたけはほとんど見かけません。
1930年ころ(昭和初期)、これらの3つはほとんど同じ価格だったことに驚きです。
なお、たまご1個65g、バナナ1個200g、まつたけ1個30gで計算しています。
■右のページも参照 ⇒
「たまごは物価の優等生」
【グラフ5】 種類別通貨流通高
現在日本には、日銀発行の紙幣と、政府発行の硬貨(法律用語では「貨幣」)の2種類が流通している。
令和2年の流通高は、それぞれ118.3兆円、5.1兆円、合計123.4兆円である。
明治元年以降のこの内訳が下のグラフである。
「その他」は、横浜正金銀行券、朝鮮銀行券、台湾銀行券の合計である。
明治時代のグラフはみばえがいいのに、戦後のグラフは何とつまらないグラフであることか(実感)。
【資料】日本銀行ホームページ「統計>時系列データ>金融経済統計」
日本銀行調査統計局「日本銀行百年史 資料編」、「明治以降本邦主要経済統計」、「経済統計年報」
【グラフ6】 消費支出内訳
1880年(明治13年)の国民1人あたりの消費支出は1か月23円。 そのうち食料費は69%。
2000年(平成12年)の勤労者1世帯あたりの消費支出は1か月34万円。 そのうち食料費は22%。
エンゲル係数は大きく下り、生活が豊かになったのでしょう。 これらを実感できるようにしたのが右のグラフ。
普通のグラフでは全体を100%としますが、ここでは食料費を100としました。
明治大正期と比べ、現在の豊かさが実感できるような気がします。
【資料】『長期経済統計』東洋経済新報社
『日本の100年』矢野恒太記念会
【グラフ7】 物価指数いろいろ
物価指数にもいろいろあります。 ここでは、次の7つをグラフにしてみました。
①朝日新聞社、明治元年基準「卸売物価指数(東京)」
②戦前基準「消費者物価指数(都市部)」
③日本銀行、戦前基準「小売物価指数(東京区部)」
④日本銀行、戦前基準「企業物価指数」
⑤総務省統計局、戦前基準「消費者物価指数(東京区部)」
⑥総務省統計局、2015年基準「国内企業物価指数」
⑦総務省統計局、2020年基準「消費者物価指数(全国)」
終戦前後を除いて、過去にあったインフレ(↑)、デフレ(↓)は次のようなものがあります。 グラフから読みとることができます。
1883(明治16)松方デフレ(↓)
1915(大正4) 一次大戦時の大戦景気(↑)
1918(大正7) 米騒動を生んだ大正期のインフレ(↑)
1920(大正9 )一次大戦後の戦後恐慌(↓)
1929(昭和4) 世界恐慌(↓)
1950(昭和25)朝鮮特需(↑)
1974(昭和49)オイルショック後の狂乱物価(↑)
【グラフ8】 税収入の内訳
租税の内訳を調べて見ました。
戦前の所得税には、現在の法人税も含まれています。
地租 ⇒ 酒税 ⇒ 所得税 ⇒ 法人税 ⇒ 消費税
租税の主役が変遷しています。
【グラフ9】 外国為替相場
戦前の為替相場です。
戦前は、1ドル=○円ではなく、1円=○ドルのように示されていました。
右のグラフは、1ドル=○円に換算しています。
終戦直後の米ドル相場は、
昭和20年6月 10円(沖縄)
昭和20年9月 15円
昭和22年3月 50円
昭和23年7月 270円
昭和24年3月 360円
この360円が昭和46年(1971)12月まで続きました。
(下のグラフ、クリックすると大きく表示されます)
2021.10.8 新規作成。 その後度々追加。