現役世界最高額のコイン

  
スイスの5フラン白銅貨 13.2g 31.3mm
表面の肖像はウイリアム・テル
 現在、日常的に使われているコインの中で、世界最高額はスイスの5フラン白銅貨のようです。 日本の850円に相当します(為替レートは、2024年2月ころのものです。以下も同様です)。
 高額なコインとしては、日本の500円玉、ユーロの2ユーロ(320円)、イギリスの2ポンド(370円)、カナダの2ドル(220円)などくらいでしょうか。

 スイスのコインの長寿さは有名です。 なにしろ、1879年(明治12年)に発行された10サンチーム白銅貨が、現在でも同一大きさ、同一デザインで発行され続いています(10サンチームは1フランの10分の1です)。 (⇒「スイスの10サンチーム白銅貨」
 5フランのコインが最初に発行されたのは、1850年のことで、その当時は重さ25グラムの銀貨で、明治時代の1円銀貨(27グラム)とほぼ同じものでした。 その後1968年には現在と同じ白銅貨になり、それが現在でも続いています。

 高額さでこれに匹敵するのは、日本の500円玉だけのようです。
  
日本の500円玉  7.1g 26.5mm
ニッケル黄銅などのバイカラー・クラッド貨

 確かに為替レートで計算すると、スイスの5フランは日本の500円を超えていますが、イギリスのエコノミスト社が毎年調査しているビッグマックの値段は、日本は450円に対して、スイスは6.7フランです(2023年7月)。 500円玉でビッグマックを買ってお釣りをもらえますが、5フランコインでは買えません。 500円玉の方が価値があります。
 日本の500円玉は、1982年(昭和57年)初発行後、大きさと重さはほとんど変わらないものの、材質やデザインは2回ほど変わり、2021年(令和3年)から現行のものになっています。

 2024.2.3