宋
(960~1126)
○貨幣経済の最盛期。改元のたびに年号を冠した銭を発行した。
淳化元宝以降は、真・行・草の3書体(または真・篆の2書体)の組に微妙な符合があり、「符合銭」または、「対銭」と呼ばれている。(下の*印が符合銭)
968 宋通元宝、976 太平通宝、990 *淳化元宝、995 *至道元宝、
998 咸平元宝、1004 景徳元宝、1008 祥符元宝、1009 祥符通宝、
1017 天禧通宝、1023 *天聖元宝、1032 *明道元宝、1034 *景祐元宝、
1039 *皇宋通宝、1054 *至和元宝、1054 *至和通宝、1056 *嘉祐元宝、
1056 *嘉祐通宝、1064 *治平元宝、1064 *治平通宝、1068 *熈寧元宝、
1078 *元豊通宝、1086 *元祐通宝、1094 *紹聖元宝、1094 紹聖通宝、
1098 *元符通宝、1101 *聖宋元宝、1102 崇寧通宝、1107 大観通宝、
1111 *政和通宝、1118 重和通宝、1119 宣和元宝、1119 *宣和通宝 、
1126 靖康元宝、1126 靖康通宝
○1045 慶暦重宝(北宋折二銭の始まり)。
その後、1054 至和重宝、1072 熈寧重宝、1104 崇寧重宝
○宣和通宝のころから鉄銭も発行される。四川・福建が中心。
○10世紀末、成都の商人たちが「交子」を発行。1023/1024に私造を禁止し、政府が発行。 1107 一時「銭引」と改称。
(⇒「大宋人のくらし」)
(⇒「宋の対銭、または符号銭」)
(⇒「徽宗皇帝」)
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○1004 遼と澶淵の盟を結ぶ。
(毎年銀10万両、絹20万匹の歳幣)
○1044 西夏と慶暦の和約を結ぶ。
(毎年銀5万両、絹13万匹、茶2万斤の歳幣)
○1069 王安石の新法始まる(均輸法、青苗法など)。
○北宋150年間の総鋳造高は、2~3億貫、
1080ころが最盛期で、毎年の鋳造高は500万貫。
○経済と農業の中心が江南に移る。
○商業が発展し、地方にも「鎮・市・草市」などの小商業都市ができる。
○農村では二毛作が普及し、商品作物が増える。
| 南宋 (1127~1279)
○南宋銭は、殆どの銭銘に小平銭(銅・鉄)、折二銭(銅・鉄)がある。
また、淳熈元宝背紫(=七)が発行年代を示す南宋番銭の始まり。(下の+印が番銭)
1127 建炎元宝、1127 *建炎通宝、1131 紹興元宝、1131 紹興通宝、
1174 *+淳熈元宝、1190 +紹熈元宝、1195 +慶元通宝、1201 +嘉泰通宝、
1201 +開禧通宝、1208 +嘉定通宝、1225 +大宋元宝、1228 +紹定通宝、
1234 +端平元宝、1237 +嘉熈通宝、1241 +淳祐元宝、1241 淳祐通宝、
1253 +皇宋元宝、1259 +開慶通宝、1260 +景定元宝、1266 +咸淳元宝、
1127 建炎重宝、1163 隆興元宝、1165 乾道元宝、
(⇒「発行年を刻んだ穴銭」)
○大銭固有の銭銘。
1208 嘉定元宝・之宝・泉宝など、1234 端平重宝、1237 嘉熈重宝
○宋の「交子」を受け継いで「会子」を発行。
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○1142 金と紹興の和約を結ぶ。
(毎年銀25万両、絹25万匹の歳幣)
○1150ころより、日本が銭(唐銭、北宋銭が主体)を輸入。
○1199 銭不足となり、日本への輸出を禁止する。
| 西夏 (1038~1227)
○漢字を銭銘とする西夏銭(鉄銭もある)
1158 天盛元宝、1172 乾祐元宝、1194 天慶元宝、1210 皇建元宝、1211 光定元宝
○わずかながら、西夏文字の銭も発行
福聖宝銭、大安宝銭、貞観宝銭、乾祐宝銭、天慶宝銭
(⇒「西夏の番字銭」)
| ○西夏文字を創設する。
| 金 (1115~1234)
○金の傀儡政権が発行した銭
【斉】1130 阜昌通宝、1130 阜昌重宝
○1154 戦費調達のため交鈔を発行。1215ころは1000分の1の価値に下落。
○【金】の銭
1158 正隆元宝、1178 大定通宝、1204 泰和通宝、1204 泰和重宝、
1217 貞祐通宝
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| 元 (1271~1368)
○紙幣「交鈔」を基本とする貨幣制度とする。
1236 蒙古交鈔、1260 中統鈔、1287 至元鈔、1309 至大銀鈔。
毎年1000万貫~1億貫もを発行し、価値は下落。
専売の塩の購入には紙幣に限定されたため、滅亡直前までなんとか存続。
○初期は、蒙古文字の銭を発行
1285 至元通宝、1295 元貞通宝、1297 大徳通宝、1310大元通宝
○漢字の銭
1271 大朝通宝(銀)、1285 至元通宝、1295 元貞元宝、1295 元貞通宝、
1309 至大元宝、1310 至大通宝、1310 大元通宝、1314 延祐元宝、
1321 至治通宝、1324 泰定通宝、1351 至正通宝
○元末の群雄の銭
【周・張士誠】1353 天佑通宝、
【漢・陳友諒】1360 天定通宝、1361 大義通宝
【宋・韓林児】1355 竜鳳通宝、
【天完・徐寿輝】1358 天啓通宝
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○1275 マルコ・ポーロ、大都(北京)に着く。
○1277 銭の使用を禁止する。
○1346 イブン・バットゥータ、大都に着く。
○イスラム商人により、銀流出。
| 明 (1368~1644)
○群雄割拠時代の銭。
1361 大中通宝、1368 洪武通宝
○1375 大明宝鈔(一貫、三百文)を発行。
(銀が普及すると価値が下落し、流通されなくなる)
(⇒「大明宝鈔 ~ 史上最大の紙幣」)
○永楽帝以降の銭
1408 永楽通宝、1433 宣徳通宝、1503 弘治通宝、1527 嘉靖通宝、
1570 隆慶通宝、1576 萬暦通宝、1621 天啓通宝、1621 泰昌通宝、
1628 崇禎通宝
○清進入後の明の諸王が発行した銭。
【南明】1644 大明通宝、1645 弘光通宝、1646 隆武通宝、1647 永暦通宝
○明末の群雄が発行した銭。
【平西・張献忠】1644 大順通宝
【順・李自成】1644 永昌通宝
【東平・孫可望】1647 興朝通宝
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○山西商人、新安商人を中心とする商業が盛んになり、会館・公所ができる。
○16世紀以降、スペインの銀(墨銀)、日本の銀が大量に流通。 銀は重さで量られ、両(37g)=10銭=100分=1000厘の単位が使われる(銭1文は銀1厘とほぼ等価)。
○一条鞭法により、すべての税が銀で一本化されるようになる。
○1566 倭寇を制圧し、海外への銭の流出が止る。
| 清 (1616~1912)
○清初三藩の銭。
【耿精忠】1675 祐民通宝、
【呉三桂/呉世播】1673 利用通宝、1678 昭武通宝、1678 洪化通宝
○後金時代には満州文字の銭を発行した。
1616 天命皇宝、1628 天聡通宝、
○清は、真鍮質の小平銭主体。
1616 天命皇宝、1644 順治通宝、1662 康熈通宝、1736 雍正通宝、
1736 乾隆通宝、1796 嘉慶通宝、1821 道光通宝、1851 咸豊通宝、
1862 同治通宝、1875 光緒通宝、1909 宣統通宝。
光緒通宝と宣統通宝には打製もある。
咸豊重宝(当千までの各種の大銭)
○1853 大清宝鈔 五百文~十万貫までの各種。
○1760~1910c 新彊で紅銭が発行される。
(⇒「新疆の紅銭」)
○清末期 【太平天国】1864 太平天国、太平聖宝など、
平靖勝宝、天朝通宝、太平通宝、皇帝通宝、開元通宝
○1890 両広総督、光緒元宝銀銭(龍洋)を発行。他の省でも続く。
1ドル=0.72両(テール)を基準とする銀貨。
1904 大清銅幣・銀幣、1910 十文などの銅貨
○銀行券
1898 中国通商銀行、1906 大清銀行、1909 交通銀行 など
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○18世紀初 地丁銀制。人頭税を廃し、土地税のみに移行。
○1757 ヨーロッパとの交易を広州に限定する。
○1827 アヘンの流入で輸入超過にかわる。
○1842 アヘン戦争終結、南京条約締結。上海など開港。
○1850~64 太平天国の乱。
○1904 戸部銀行(後の中国銀行)設立。このころ銭荘最盛期。
○1910 「圓」を単位とする銀本位制とする。
| 中華民国 (1912~)
○初期銅貨
1912 福建通宝、1912 民国通宝
○圓単位の銀貨
1914 袁世凱銀貨、1927 孫文銀貨
1929 「圓」を「元」に改める。
○銀行券
1912~42 中国銀行券(1角~1000圓)
1912~49 交通銀行券(1角~1000圓)
1928~49 中央銀行券(1角~10万圓)
(⇒「近代中国の貨幣」)
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○1933 廃両改元。
| 中華人民共和国 (1949~)
○銀行券
1948~60 中国人民銀行券(1圓~1万圓)
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