中国貨幣年表

     ・年代や貨幣名については、いろいろな説がある場合があります。 以下は、ひとつの説とお考えください。
王朝貨幣のできごと関連記事

(BC1600~1046)
○原貝貨 ○BC1400c 青銅器時代に入る。

(BC1046~771)
○BC936c 穆王が西域の有力者に貝貨を賜う。
東周・春秋時代
(BC771~403)
○原貝貨を模した銅製の貝貨。
○前6世紀ころ、空首布が出現。
○BC600~400 鉄製の農具が普及し、人口増加。貨幣経済がおこる。
東周・戦国時代
(BC403~249)
○東方の燕と斉は、国家主導型の富国強兵策を進める。
 【燕】刀銭(尖首刀、方首刀)、圜銭(明ヒ、明四)
 【斉】刀銭(反首刀)、圜銭(宝六化、宝四化、宝化、一ヒ)
○中原に近い三晋では、都市の商人を中心とした貨幣経済が発達する。
 【韓・魏・趙】布銭(方足布、尖足布、円足布)、圜銭(垣字銭、共字銭)
○西方の秦は、やや遅れて貨幣を発行。
 【秦】圜銭(両甾、半両)
○南方の楚は、自給自足が基本で、貨幣経済はあまり発達しない。
 【楚】蟻鼻銭、金貨(郢爰、郢称?)
○華北で手工業や商業が盛んになり、都市が繁栄する。

(~BC206)
○-221 始皇帝、「半両」を発行。刑罰の基準も銭で定める。
○始皇帝の死後は品質が劣化し、インフレが進行。
○秦の全国統一により、度量衡、貨幣、文字などが統一される。
前漢
(BC202~AD8)
○前漢初期は、粗悪な半両銭(楡莢半両)が横行し、貨幣経済混乱。
○-186 呂后が、「八銖半両」を発行。
 その後、-182 六銖半両、-175 四銖半両と軽量化。
○-120 三銖、白金三品を発行。
○-118 武帝が「五銖」を発行(郡国五銖)。
 外輪と内郭を持つ五銖銭は、この後700年間以上、中国の標準的な貨幣となる。
○その後、-118 郡国五銖、-116 赤側五銖、-113 三官五銖、-61 宣帝五銖。
○武帝(-141~87)、人頭税を銭で徴収。
○-110 平準法を施行し、増収と物価安定を計る。
○農村では、豪族と小作農の階層ができ始める。

(8~23)
○新の王莽、度重なる貨幣制度変更を行う。
 第1次 7 一刀平五千、契刀五百、大泉五十
 第2次 9~10 宝貨制度を制定。5種類の材質で、28種類の貨幣を発行。
   9 小泉直一、10 幺泉一十~大布黄千など
 第3次 14 貨布、貨泉、を発行。布泉もこのころ。
後漢
(25~220)
○40 前漢の貨幣制度を踏襲し、後漢五銖を発行。186 背四道五銖
○後漢末期の五斗米道、太平百銭を発行(西晋代との説もある)
○後漢末期より、大地主の登場で農村が自給自足となり、貨幣経済衰退。
魏(220~265)
呉(222~280)
蜀(221~263)
【魏】五銖を発行した可能性があるが、確証はない。
【蜀】221(214?) 直百五銖を発行。だんだん軽量化する。
  直百、直一、蜀五銖(晋五銖?)
【呉】236 大泉五百、238 大泉当千、238大泉二千などの大銭を発行。
○後漢末より、相次ぐ戦乱と飢饉で人口激減(6000万⇒1000万)
○貨幣があまり発行されなくなり、布帛が通貨の代用となる。 税金も物納となる。
西晋
(265~316)
○晋五銖(従来蜀五銖と呼ばれていたもの?)
○304? 太平百銭もこの頃のものか?
東晋
(317~420)
五胡十六国
(304~439)
【前涼】302 涼造新泉
【成漢】306 安平一百(定平一百)、338 漢興
【後趙】320 豊貨
○貨幣銘に国号や年号を使うようになる。
南朝
(420~557)
【宋】430 四銖、454 孝建、454 孝建四銖、465 永光、465 景和
【斉】? 斉五銖
【梁】502 内郭五銖、502 公式女銭、523 四道五銖(鉄銭)、559 両柱五銖、
  559 四柱五銖
【陳】579 太貨六銖、? 陳五銖
○ このころ民間で私鋳銭・変造銭が多く作られる(陰文四朱など)
○華北の漢民族が多数南部に移住し、長江流域が発展。
○貨幣の単位として、「文」「貫」が使われるようになる。
○短陌の習慣が発生。(70,80,90枚などで100文とみなす)
北朝
(386~)
【北魏】495 太和五銖、510 北魏五銖、529 永安五銖
【東魏】541 永安背四道銭、541 天清豊楽
【北斉】553 常平五銖、? 敬帝五銖
【北周】561 布泉、574 五行大布、579 永通万国
○485 北魏の孝文帝のとき、均田制が始まる。
 (自作農を広げ、税収の増大を計る)

(589~618)
○581 隋五銖、583 置様五銖、585 白銭五銖 ○律令体制が確立する。(均田制、租庸調、府兵制、選挙(後の科挙))

(618~907)
○621 1両の10分の1の重さの「開元通宝」を発行。この貨幣1枚を「1銭」と呼ぶ。 開元通宝の形式は、これ以降、東アジアの通貨の基本形となる。
 その後、666 乹封泉宝、759 乹元重宝を発行。
○759 安禄山の武将、【燕・史思明】得壱元宝、順天元宝を発行。
○新彊の安西都護府にて、769 大暦元宝、780 建中通宝を発行。
 その後、元字銭、中字銭。
○845 仏教を排斥し、仏具を鋳潰した銅で開元通宝(会昌開元)を発行。
 このとき、従来の「銭笵」方式に代わり、「母銭」方式の鋳造方法に改良される。
○唐末の混乱期 【劉仁恭】901 永安一百、永安一千(ともに銅・鉄の大銭)
○商業が盛んになり、「市」(都市の市場)、「行」(商工業者の同業組合)、「飛銭」(送金手形)、「草市」(地方の市場)などが発生。
○ソグド商人などにより、西方との交易が行われる。
○780 均田制が崩れ、戸税と地税からなる両税法が始まる。
○穀物・生糸・銅銭が納税で使用される。この方式は、宋・元代まで続く。
○銭の需要が増え、しばしば銭不足がおきる。
五代
(907~960)
○主に、唐の銭がそのまま使用される。
【後梁】? 開平元宝、開平通宝
【後唐】926 天成元宝
【後晋】938 天福元宝
【後漢】949 漢通元宝
【後周】955 周通元宝
十国
(902~979)
【前蜀】911 永平元宝、916 通正元宝、917 天漢元宝、918 光天元宝、
  920 乹徳元宝、
【閩】922 開元通宝(鉛の大銭)、942 永隆通宝(銅・鉄の大銭)、
  944 天徳重宝
【南漢】917 乹享通宝、917 乹享重宝(銅・鉛)
【楚】? 天策府宝
【南唐】944c 大唐通宝、944 永通泉貨、985 唐国通宝、966 篆書開元通宝
【王衍】925c 咸康元宝
【後蜀】955 広政通宝(銅・鉄)
契丹・遼
(916~1125)
○建国初期のものは発行数が少ない。
 922 天賛通宝、927 天顕通宝、952 応暦通宝、985 統和元宝
○中期になると、発行数がやや多くなる。
 1054 重熈通宝、1058 清寧通宝、1065 咸雍通宝、1075 大康元宝、
 1075 大康通宝、 1085 大安元宝、1096 寿昌元宝、1101 乹統元宝、
 1111 天慶元宝
○契丹文字を創設する(ただし貨幣には使用されず)。
大理
(937~1253)
○太平通宝、太官通宝、弘治通宝 など独特の銭を発行。

(960~1126)
○貨幣経済の最盛期。改元のたびに年号を冠した銭を発行した。
 淳化元宝以降は、真・行・草の3書体(または真・篆の2書体)の組に微妙な符合があり、「符合銭」または、「対銭」と呼ばれている。(下の*印が符合銭)
 968 宋通元宝、976 太平通宝、990 *淳化元宝、995 *至道元宝、
 998 咸平元宝、1004 景徳元宝、1008 祥符元宝、1009 祥符通宝、
 1017 天禧通宝、1023 *天聖元宝、1032 *明道元宝、1034 *景祐元宝、
 1039 *皇宋通宝、1054 *至和元宝、1054 *至和通宝、1056 *嘉祐元宝、
 1056 *嘉祐通宝、1064 *治平元宝、1064 *治平通宝、1068 *熈寧元宝、
 1078 *元豊通宝、1086 *元祐通宝、1094 *紹聖元宝、1094 紹聖通宝、
 1098 *元符通宝、1101 *聖宋元宝、1102 崇寧通宝、1107 大観通宝、
 1111 *政和通宝、1118 重和通宝、1119 宣和元宝、1119 *宣和通宝 、
 1126 靖康元宝、1126 靖康通宝
○1045 慶暦重宝(北宋折二銭の始まり)。
 その後、1054 至和重宝、1072 熈寧重宝、1104 崇寧重宝
○宣和通宝のころから鉄銭も発行される。四川・福建が中心。
○10世紀末、成都の商人たちが「交子」を発行。1023/1024に私造を禁止し、政府が発行。 1107 一時「銭引」と改称。
○1004 遼と澶淵の盟を結ぶ。
 (毎年銀10万両、絹20万匹の歳幣)
○1044 西夏と慶暦の和約を結ぶ。
 (毎年銀5万両、絹13万匹、茶2万斤の歳幣)
○1069 王安石の新法始まる(均輸法、青苗法など)。
○北宋150年間の総鋳造高は、2~3億貫、
 1080ころが最盛期で、毎年の鋳造高は500万貫。
○経済と農業の中心が江南に移る。
○商業が発展し、地方にも「鎮・市・草市」などの小商業都市ができる。
○農村では二毛作が普及し、商品作物が増える。
南宋
(1127~1279)
○南宋銭は、殆どの銭銘に小平銭(銅・鉄)、折二銭(銅・鉄)がある。
 また、淳熈元宝背紫(=七)が発行年代を示す南宋番銭の始まり。(下の+印が番銭)
 1127 建炎元宝、1127 *建炎通宝、1131 紹興元宝、1131 紹興通宝、
 1174 *+淳熈元宝、1190 +紹熈元宝、1195 +慶元通宝、1201 +嘉泰通宝、
 1201 +開禧通宝、1208 +嘉定通宝、1225 +大宋元宝、1228 +紹定通宝、
 1234 +端平元宝、1237 +嘉熈通宝、1241 +淳祐元宝、1241 淳祐通宝、
 1253 +皇宋元宝、1259 +開慶通宝、1260 +景定元宝、1266 +咸淳元宝、
 1127 建炎重宝、1163 隆興元宝、1165 乾道元宝、
○大銭固有の銭銘。
 1208 嘉定元宝・之宝・泉宝など、1234 端平重宝、1237 嘉熈重宝
○宋の「交子」を受け継いで「会子」を発行。
○1142 金と紹興の和約を結ぶ。
 (毎年銀25万両、絹25万匹の歳幣)
○1150ころより、日本が銭(唐銭、北宋銭が主体)を輸入。
○1199 銭不足となり、日本への輸出を禁止する。
西夏
(1038~1227)
○漢字を銭銘とする西夏銭(鉄銭もある)
 1158 天盛元宝、1172 乾祐元宝、1194 天慶元宝、1210 皇建元宝、1211 光定元宝
○わずかながら、西夏文字の銭も発行
 福聖宝銭、大安宝銭、貞観宝銭、乾祐宝銭、天慶宝銭
○西夏文字を創設する。

(1115~1234)
○金の傀儡政権が発行した銭
 【斉】1130 阜昌通宝、1130 阜昌重宝
○1154 戦費調達のため交鈔を発行。1215ころは1000分の1の価値に下落。
○【金】の銭
 1158 正隆元宝、1178 大定通宝、1204 泰和通宝、1204 泰和重宝、
 1217 貞祐通宝

(1271~1368)
○紙幣「交鈔」を基本とする貨幣制度とする。
 1236 蒙古交鈔、1260 中統鈔、1287 至元鈔、1309 至大銀鈔。
 毎年1000万貫~1億貫もを発行し、価値は下落。
 専売の塩の購入には紙幣に限定されたため、滅亡直前までなんとか存続。
○初期は、蒙古文字の銭を発行
 1285 至元通宝、1295 元貞通宝、1297 大徳通宝、1310大元通宝
○漢字の銭
 1271 大朝通宝(銀)、1285 至元通宝、1295 元貞元宝、1295 元貞通宝、
 1309 至大元宝、1310 至大通宝、1310 大元通宝、1314 延祐元宝、
 1321 至治通宝、1324 泰定通宝、1351 至正通宝
○元末の群雄の銭
 【周・張士誠】1353 天佑通宝、
 【漢・陳友諒】1360 天定通宝、1361 大義通宝
 【宋・韓林児】1355 竜鳳通宝、
 【天完・徐寿輝】1358 天啓通宝
○1275 マルコ・ポーロ、大都(北京)に着く。
○1277 銭の使用を禁止する。
○1346 イブン・バットゥータ、大都に着く。
○イスラム商人により、銀流出。

(1368~1644)
○群雄割拠時代の銭。
 1361 大中通宝、1368 洪武通宝
○1375 大明宝鈔(一貫、三百文)を発行。
 (銀が普及すると価値が下落し、流通されなくなる)
○永楽帝以降の銭
 1408 永楽通宝、1433 宣徳通宝、1503 弘治通宝、1527 嘉靖通宝、
 1570 隆慶通宝、1576 萬暦通宝、1621 天啓通宝、1621 泰昌通宝、
 1628 崇禎通宝
○清進入後の明の諸王が発行した銭。
 【南明】1644 大明通宝、1645 弘光通宝、1646 隆武通宝、1647 永暦通宝
○明末の群雄が発行した銭。
 【平西・張献忠】1644 大順通宝
 【順・李自成】1644 永昌通宝
 【東平・孫可望】1647 興朝通宝
○山西商人、新安商人を中心とする商業が盛んになり、会館・公所ができる。
○16世紀以降、スペインの銀(墨銀)、日本の銀が大量に流通。 銀は重さで量られ、両(37g)=10銭=100分=1000厘の単位が使われる(銭1文は銀1厘とほぼ等価)。
○一条鞭法により、すべての税が銀で一本化されるようになる。
○1566 倭寇を制圧し、海外への銭の流出が止る。

(1616~1912)
○清初三藩の銭。
 【耿精忠】1675 祐民通宝、
 【呉三桂/呉世播】1673 利用通宝、1678 昭武通宝、1678 洪化通宝
○後金時代には満州文字の銭を発行した。
 1616 天命皇宝、1628 天聡通宝、
○清は、真鍮質の小平銭主体。
 1616 天命皇宝、1644 順治通宝、1662 康熈通宝、1736 雍正通宝、
 1736 乾隆通宝、1796 嘉慶通宝、1821 道光通宝、1851 咸豊通宝、
 1862 同治通宝、1875 光緒通宝、1909 宣統通宝。
 光緒通宝と宣統通宝には打製もある。
 咸豊重宝(当千までの各種の大銭)
○1853 大清宝鈔 五百文~十万貫までの各種。
○1760~1910c 新彊で紅銭が発行される。
○清末期 【太平天国】1864 太平天国、太平聖宝など、
 平靖勝宝、天朝通宝、太平通宝、皇帝通宝、開元通宝
○1890 両広総督、光緒元宝銀銭(龍洋)を発行。他の省でも続く。
 1ドル=0.72両(テール)を基準とする銀貨。
 1904 大清銅幣・銀幣、1910 十文などの銅貨
○銀行券
 1898 中国通商銀行、1906 大清銀行、1909 交通銀行 など
○18世紀初 地丁銀制。人頭税を廃し、土地税のみに移行。
○1757 ヨーロッパとの交易を広州に限定する。

○1827 アヘンの流入で輸入超過にかわる。
○1842 アヘン戦争終結、南京条約締結。上海など開港。
○1850~64 太平天国の乱。
○1904 戸部銀行(後の中国銀行)設立。このころ銭荘最盛期。
○1910 「圓」を単位とする銀本位制とする。
中華民国
(1912~)
○初期銅貨
 1912 福建通宝、1912 民国通宝
○圓単位の銀貨
 1914 袁世凱銀貨、1927 孫文銀貨
 1929 「圓」を「元」に改める。
○銀行券
 1912~42 中国銀行券(1角~1000圓)
 1912~49 交通銀行券(1角~1000圓)
 1928~49 中央銀行券(1角~10万圓)
○1933 廃両改元。
中華人民共和国
(1949~)
○銀行券
 1948~60 中国人民銀行券(1圓~1万圓)

参考文献 : 
  太田保編、「新版東洋古銭価格図譜全」、万国貨幣洋行、1981
  亀井高孝ほか編、「世界史年表・地図」、吉川弘文館、1995
  木下康彦ほか編、「詳説 世界史研究」、山川出版社、1995
  宮澤知之、「中国銅銭の世界」、思文閣出版、2007
  " standard catalog of WORLD PAPER MONEY " , KRAUSE
2007.6.26 2007.7.16